feel | 言葉にならない指先が綴る、受容という名の贅沢。カール・ロジャーズのまなざしとエスプレッソ・トニックの苦みが、不器用な二人の夜を静かに肯定する。
透明で柔らかい空気。
新しい季節が混じる4月。
今月の featured poemは、
スフレ様の
恋愛詩「feel」。
@utxsf
恋をしていると、
どうしても
「正解」
を探してしまいがち。
でも、この詩が教えてくれるのは、
もっとずっと手前にある、
震えるような心の動きでした。
à partir du 12 avril 2026
一かけらの今 a l’honneur de soutenir
feel

感情をぶつけあって
ずるい所も見せあって
それでも触れあわせた指が
「好き」と訴えかけている
上手い言葉なんて出ないけれど
笑顔も影も寄り添って
秒針、カレンダー、季節、今も
あなたを感じ続けている
震える指先が伝える、言葉にならない「好き」の正体
恋愛において、
私たちはつい
「何を言うか」
に必死になってしまいます。
気の利いたセリフや、
相手を納得させる理由。
でも、スフレ様の詩
「feel」の中で、
二人の想いを繋いでいるのは
「上手い言葉」
ではありません。
「上手い言葉なんて出ないけれど
笑顔も影も寄り添って」
器用に話せなくても、
ただ隣にいて、
影を重ね合わせる。
その静かな時間が、
どんな饒舌な告白よりも深く、
相手の心に届くことがあります。
フランス語には
「Présence(プレゼンス)」
という言葉がありますが、
単なる「出席」ではなく
「そこに在ることの力」
を意味します。
向き合うこと以上に、
寄り添うこと。
語ること以上に、
触れあわせた指先に
体温を乗せること。
恋の名言を暗記するよりも、
今のあなたの心拍数が、
いちばん確かなメッセージになるのです。
「裁かれない」という安心感が、恋をいちばん楽にする
この詩の主人公たちは、
お互いに感情をぶつけ、
ずるい部分も見せ合っています。
大人になればなるほど、
私たちは
「良い自分」
だけを見せようと、
心のクローゼットに
脱ぎ散らかした感情を
押し込んでしまいがち。
でも、この詩の二人は、
その散らかった部屋の真ん中で、
そっと指を触れあわせているのです。
アメリカの心理学者、
カール・ロジャーズ(Carl Rogers)は、
人間関係における究極の癒やしについて、
こんな言葉を遺しました。
“When someone really hears you without passing judgement on you,
without trying to take responsibility for you,
without trying to mold you, it feels damn good!”
私訳:「誰かが、裁かず、背負いすぎず、
形を変えようともしないで、
ほんとうに聴いてくれると、
ものすごく救われる。」
恋をすると、
私たちはつい相手の悩みを
自分のことのように背負いすぎて
苦しくなったり、
相手を自分好みの形に変えようと
(あるいは相手の望む形に自分を合わせようと)
無理をしてしまいます。
でも、本当の安心感とは、
正しさを競うことではなく
「ただ、そこに在るものを聴いてもらうこと」
から生まれるもの。
「この人の前では、かっこ悪い自分を
無理に直そうとしなくていいんだ」
と思える関係。
そんな
「裁かれない」
という贅沢が、
秒針やカレンダーを越えて、
二人を「今」という
深い愛の場所へ繋ぎ止めてくれるのです。
不完全なふたりだからこそ、愛は深くなる
「ずるい所」を見せ合うことは、
一見すると恋のマイナス要素に
思えるかもしれません。
でも、完璧な人間同士の恋なんて、
どこかプラスチックのようで、
冷たい気がしませんか?
感情の摩擦を恐れず、
弱さや影を隠さずにさらけ出す。
それでも離れないという確信が、
秒針やカレンダーを越えて、
二人の関係を
「積み重ね」
へと変えていきます。
恋愛は、自分を美しく見せるための
ステージではなく、
弱さを分かち合うための聖域。
不完全な欠片(かけら)同士だからこそ、
カチリと深く噛み合う瞬間がある。
スフレ様の「feel」という詩は、
そんな泥臭くも美しい恋愛の核心を、
優しく肯定してくれています。
fin d’un début
ある始まりの終わり
甘苦い余韻に浸る、エスプレッソ・トニック(Espresso Tonic)
“こんな夜”におすすめのドリンクを紹介。

詩を読み終えたあとの、
少し火照った心にぴったりの
ドリンクをご紹介します。
今夜は、
スウェーデンのヘルシンボリにある
「Koppi Roasters」
が広めたことで知られる
エスプレッソ・トニックを。
2015年頃から
世界中のカフェで愛されるようになった、
知的で都会的な一杯です。

トニックの炭酸とエスプレッソが層になるグラデーションは、まるで移ろう季節のよう。
仕上げにレモンピールやオレンジピールをひと搾りすれば、爽やかな苦みが恋の余韻をいっそう引き立ててくれます。
Method
- 大きめのグラスに氷をたっぷり入れます。
- 冷えたトニックウォーターを8分目まで注ぎます。
- その上から、淹れたてのエスプレッソをやさしくドロップ。
あなたの不器用さも、
ずるさも、すべてが愛おしい
「今」。
今夜は自分を甘やかして、
ゆっくりと眠りについてくださいね。
また次の新月か、
あるいは雨の午後に。
さようなら、またね。

Une image n’est rien sans vos mots.
― あなたの言葉のない image は、
あなたの言葉なしには何ものでもない
― Une image, sans vos mots,
c’est un plan sans voix.

poetry by スフレ
a film by 一かけらの今
illustration by Velvet Easter Corp.
for those who still believe in love.
まだ愛を信じている、すべての人へ。
あなたの「恋」を、ぜひここに
誰かに話すほどではないけれど、
自分の中では忘れられない瞬間。
言葉にできないほど切なかった夜や、
今でも胸が温かくなる記憶。
あなたの心の中にある大切な『恋』の欠片を、
少しだけお裾分けしていただけませんか?
※お送りいただいたメッセージは、編集部にて大切に拝見いたします。
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