頬を伝うノクターン
揺れる電車 隣にあなた 眠たげな顔で 目を閉じたのは 少しでもその肩 触れたかったから 薄目を開けると 逃げ際の夕日 息を飲むような 色彩のダンス ただ眺めていた うつむくほど うららかな春の日
恋の始まりと、恋の終わり。終わらない始まりと、ある始まりの終わり。
それが恋愛詩集です。
恋が叶っても、恋が叶わなくても、それは世界でたったひとつの物語。
恋する気持ちが終わることはありません。
あなたの勇気が、一かけらの今を、切ない恋の詩を彩ります。
揺れる電車 隣にあなた 眠たげな顔で 目を閉じたのは 少しでもその肩 触れたかったから 薄目を開けると 逃げ際の夕日 息を飲むような 色彩のダンス ただ眺めていた うつむくほど うららかな春の日
どれだけ手を伸ばしたら あなたに届くの しなやかで力強い腕も 擦りむいた膝も 包み込むような声も 遠くを見るまなざしに 吹き飛ばされる ほんの一瞬 もたれかかる感情 気づかぬフリが 上手になったよ どれだけ手を伸ばしても つかめない光
暑気から逃げるように ブラウン壁画の喫茶店 アイスコーヒーの滴がつたう さくさく甘いクリームケーキ 2人で砂のお城を崩した日 暑い日に暑いね たわいもないやりとりは続く ふわっと 怖いものなんてない気分 ふわっと一瞬 層をなして しあわせへのルート ハミングがメロディーへ 変化するように
貴方の口元から 零れ落ちた 言葉を思い出す 今となってはもう遅いけど やっと 代償に気づいたよ ごめんね ありがとう もう二度と会わない ウヲアイニ アラベスク
たとえ幾千の 原稿用紙があっても この思いは書ききれない もし神様が 空一面を わたしにくれたとしても たぶん、たぶん足りない 伝えることの 出来ない思いが あふれていく 一つだけ 確かなこと 「好き」という2文字 わたしの心にある あなたへの集大成
どれくらいたっただろう ずっと待っているの あなたが言ったのよ 同じ場所で1年後に会おう ドキドキが止まらないの どんな顔をしてわたし 駆け寄るのかな
雨上がりに 世界はまばゆいオーロラ 聞こえるのは 祝福のさえずり 破裂しそうな鼓動は 悲しい予感に満ちて Flashlight あまりにも早く ありふれたさよなら どうか「今」を終わらせないで あの空は願った
本当は きっとあなたとの出会い 偶然じゃないと思う 新しいわたしを 教えてくれたから わたしには きっとあなたとの出会い 運命だったと思う 曖昧な思い込み もう隣に あなたはいないけれど あなたも そう思ってくれていたら なんて 想像してみるけど あの曲がり角の先に こんな道があったこと あの時は 知らなかった
通い慣れた古本屋 本棚越しに見えた彼 いつものように隠れそうになるのを わたしの中の何かが 必死に止めた それはきっと昨日 泣いたわたし 本が好きなの、と尋ねる彼に 好きだよ、と 本を栞に伝えるわたし 彼の赤い頬を見て 夕陽が落ちる時刻を知る
夜の北校舎 サクソフォーンの音色 噛み過ぎのアンブシュア あなたなのね 4階に続く階段で 冷たい壁に頬をあてた グリンカの夜想曲 別れの旋律 夜の北校舎 あなたなのね 噛み過ぎのアンブシュア どれだけ涙を流しても コモドの発想記号 もうあなたに 会うことはないのね