まだコートの手放せない、
2月22日の夜。
今月の
featured poem
をご紹介します。
今夜、私たちの凍えた指先に、
そっと寄り添ってくれるのは、
Kaze様の恋愛詩、
「君じゃなきゃ」。
@teru_320_76
冬の冷たい空気の中で、
心の奥に仕舞い込んだはずの
「あの人」への想いが、
静かに、けれど確かに、
溢れ出すような一篇です。
お気に入りのハーブティーを淹れて、
この切なくも温かい独白に、
身を委ねてみませんか。
君じゃなきゃ

君はいない
もう手の届かない
本当の想い
伝えられぬまま
どうして
あの時
声をかけなかったのか
後悔ばかりが
胸を去来する
君がいない
君がいない
心に空いた穴は
君じゃなきゃ埋められない
君じゃなきゃ
Le manque ― 欠落という名の、贅沢な愛について
「君じゃなきゃ」という言葉。
この効率化された現代社会において、
もっとも不器用で、
もっとも高貴な宣言、
といえるのではないかしら。
Kaze様の詩を読んだとき、
私は急な坂道を前に、
石畳をじっと見つめていた、
若き日の自分を思い出しました。
大学を中退し、
日銭を稼いでいたあの頃。
私の心にも、
誰にも見えない
「大きな穴」
がありました。
片想い。
それは、白く吐き出す息のように、
形になっては消えていく、
もどかしい感情です。
この詩に綴られた
「どうしてあの時
声をかけなかったのか」
という後悔。
それは決して、
後ろ向きなものではなく、
それほどまでに誰かを想えた、
という、
自分自身への誠実さの証
なのだと思うのです。
フランス語には
“Tu me manques”
という表現があります。
直訳すれば
「あなたが私に欠けている」。
英語の
“I miss you”
よりもずっと、相手が
自分の体の一部である
かのような響き。
Kaze様の詩が描く
「君じゃなきゃ埋められない穴」
は、まさにこの
Le manque ― 欠落
そのもの。
私たちは、
失ったものや、
届かなかった想いを
「無駄」と呼びがちです。
けれど、この詩を読んでいると、
その空虚ささえもが、
冬の静かな景色のように、
どこか凛として、
美しく感じられるの。
完璧ではない、
欠けているからこそ、
私たちは他者の温もりを、
切実に求めることができる。
悲しいニュースがある。
行き場のない怒りがある。
けれど、せめてこの夜だけは、
一編の詩を道標に、
自分の心の「穴」を、
愛おしんであげてもいい。
「君じゃなきゃ」
という切実な想いは、
あなたが優しく生きている、
何よりの証拠なのだから。
この詩を読んで、
あなたの心に浮かんだのは、
誰の顔だったかしら?
もしよろしければ、
あなたが大切にしている
「冬の記憶」
についても、
私に教えてくださいね。
Une image n’est rien sans vos mots.
― あなたの言葉のない image は、
あなたの言葉なしには何ものでもない
― Une image, sans vos mots,
c’est un plan sans voix.

for those who still believe in love.
まだ愛を信じている、すべての人へ。
- 掲載されている作品の著作権はKaze様に帰属します。
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例えるならば
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言葉
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ブランケットの下で会おうよ
ふわふわの ブランケット あなたの存在 あまりにも 当たり前で でも 当たり前じゃなかった 優しい視線に包まれて 臆病なわたしも 心を決めた あたたかな はちみつ色に 飛び込んでいこう ブランケットの下で 会おうよ そして二人 歩いていけたら
同じくらいの優しさ
この想いが届かなくても 星は夜の配置につく 世界になんの変化もなくて ありふれた日常が また淡々と巡ってくる そう思うと少しおかしくて 小さく息が漏れた 悲しいんじゃなくて 寂しいのでもなくて その途方もなさに 目が回るだけ
数えきれぬ旅立ち
伏し目がちな横顔 ふわりと香る洗い立てのシャツ 遠くで鳴る始業ベル 木々のざわめきに抱かれ 世界の音が消える 数えきれぬ旅立ちに あなたとふたりきり ただ空の中だけでは どうか優しいぬくもりを どうかこのまま伝えてね 夜に願うのは 穏やかな余韻 朝には笑えるように 少しだけ踏み出せるように
冬が春に告げるさよなら
別れる間際の 夜は 静かすぎる ほどでした すれちがいも 何もない 夜でした 別れる間際の 朝は 何故か優しい ものでした これまでの 思い出たちを 撫でるような 朝でした 素敵な日々を 受け止めて 終わりにします ここから ずっと
長いお別れ
後ろを見るだけの時間 理由はないの あなたが近くにいた時は あなたが去っていくとは 思わなかった そしてまた悲しみ そしてまた夢 明日のことを思ってる 理由はないの あなたが近くにいた時は 終わりが来るなんてこと 思わなかった そしてまた悲しみ そしてまた夢
恋にひととき狂わされて
どうせ私からは言い出せない 癪にさわるけどその通り だから思い知らせてあげる その気になれば サロメのように すべてを奪い去ってもいい 泣き言なんて 聞いてあげないんだから 強気な言葉は でも絶対に口にしない 5分後には どうせ小さくしぼむのだから



















