手を広げて

恋愛詩集
手を広げて

空が落ちてくるほどの自分勝手な絶望

やさしいあなたを 誠実さから 遠ざけたくはないから ガラスの家をつくる 誰にも見えないように ひっそりと内側に 熱情を押し隠して あなたとあの子の 帰り道 わたしだけが知っている 道端の花の誠実さ あなただけが知っている 小さな木の実の鮮やかさ これは自分勝手な絶望 空が落ちてくるほどの

恋よりもミルク色
手を広げて

恋よりもミルク色

可笑しいよね 君にあこがれるなんて 間違いなく あからさまに不満顔 仕方ないよね 君は透明でパール 変えようもなくて 無性に欲しくなる ダメだよね この手に留めるのは 透明でパールでなくなると 決まってる 可笑しいよね ダメなものほど欲しくなる 生まれ変わったら 君になると決めたんだ

手を広げて

きっと最後の記念日

ほら 笑って もっと近づいて シャッターを押すから その間だけ じっとしていて 見つめていて わたしの頬に 優しく触れて 最高の笑顔 あなただけに見せるから 照れないで 笑ってみせて 出会った頃に そうしたように 最後のキス 波の光に消えていく わたしの恋は 永遠になる