ずっと
東京が夜の7時を迎えるこの瞬間に、
2月の featured poem をご紹介。
今夜、私たちの心にそっと寄り添ってくれるのは、
るぅにぃ様の恋愛詩、「ずっと」。
@shii_kun_69
誰かの正論。
華やかな成功術。
そんな「他人の物語」を少しだけ遠ざけて、
ありのままの「今」を感じるための、
静かな時間を過ごしませんか?
あなたのお気に入りのソファーで、
ブランケットのぬくもりを感じながら、
言葉との「待ち合わせ」を楽しんでね。
à partir du 1er février 2026
一かけらの今 a l’honneur de soutenir
ずっと

何度も傷つけ合い
それでも
惹かれあった
なぜだかわからぬまま
時が流れた
永遠なんてない
あるのは今
今しかない
絆さえあれば
それだけで
生きていける
この先もずっと
傷跡さえも愛おしい、「今」を生きる
永遠という言葉の嘘と、冬の光
「ずっと一緒にいようね」
「いつまでも愛してる」
そんな約束が吐く息の白い気霜のように、
白く消えてしまうこと、
あなたならもう知っていますよね。
真っ白なノートに書いたような
「永遠」という文字は、
大人になるにつれて、
どこか古びた映画のパンフレットのように、
現実味を失っていくものです。
るぅにぃ様の詩「ずっと」を初めて読んだとき、
カフェ・ドゥ・マゴ(Les Deux Magots)
のテラス席で見つめた、
ある冬の景色を思い出しました。
あの頃の冬は執拗なほどに長く、
そして灰色でした。
けれど、その色彩のなさに身を置いていると、
かえって自分の輪郭が、
はっきりと浮き彫りになる感じ。
この詩が語りかけるのは、
甘いお菓子のような恋の物語ではありません。
「何度も傷つけ合い/それでも/惹かれあった」
という、
ヒリヒリとした痛みを伴うリアリティ。
それは、私がかつて大学をやめた頃のことや、
夜の世界で生きていた頃に見た、
剥き出しの人間たちの姿にも重なります。
人は、完璧だから惹かれ合うのではありません。
むしろ、欠けている部分、
あるいは互いに傷をつけてしまった、
その「溝」にこそ、
抗えない引力が宿るのではないでしょうか。
フランス語には
「Un coup de foudre(直訳は“落雷”)」
という、
一目惚れを指す言葉がありますが、
この詩が描く引力は、
もっと静かで、
それでいて断ち切ることのできない、
根の深い執着にも似た
「絆」
を感じさせるのです。
なぜ惹かれるのか、という問いの贅沢
「なぜだかわからぬまま/時が流れた」
という一節に、
私は深い安堵を覚えました。
今、私たちは、あらゆることに
「理由」
を求めすぎてはいないでしょうか。
なぜこの服を選んだのか、
なぜこの仕事をしているのか、
そして、なぜこの人を愛しているのか。
けれど、本当の恋愛において、
明快な理由なんて、
後付けに過ぎないのかもしれません。
理由が説明できる愛は、
その理由が消えたときに終わってしまいます。
「お金があるから」「優しいから」「センスがいいから」
もしそんな理由で誰かと繋がっているのだとしたら、
それはとても脆い、池の氷のような関係です。
「なぜだかわからないけれど、隣にいないと苦しい」
その不可解さこそが、
二人が共に生きてきた時間の重みを証明しているのだと、
この詩は教えてくれます。
かつて、サルトルとボーヴォワールは、
「既成の結婚観に挑む」
という形で自由を追求しました。
けれど、そんな知的な契約よりもずっと切実で、
生きるために必要な何かが、
るぅにぃ様の言葉には宿っています。
それは、理屈を越えた場所で結ばれた
「魂の結び目」のようなものなのです。
「今しかない」という、強くてやさしい諦念
「永遠なんてない/あるのは今/今しかない」
少しだけ胸が締め付けられるような、
けれど深い霧が晴れるような言葉。
誰かが誰かの大切な日常を奪い続けている時代。
明日が必ずやってくるという保証など、
どこにもないことを痛感させられます。
未来を誓うことは、ある種の傲慢かもしれません。
けれど、「今」を大切にすることは、
誰にでも許された最上の贅沢です。
フランス語で 「à présent(今)」 という言葉は、
「贈り物(présent)」と同じ語源を持ちます。
今この瞬間、隣にいる人の体温を感じること。
冷たい風の中で、誰かのセーターの袖を掴むこと。
その「今」の積み重ねこそが、
結果として「ずっと」という軌跡を描いていく。
「絆さえあれば/それだけで/生きていける」
この言葉は、
豊かに生きるための「生活の知恵」でもあります。
たとえ財布の中に数枚のコインしかなくても、
お気に入りの古着のコートが擦り切れていても、
誰かと心を通わせる絆があれば、
私たちは凍えずに冬を越せる。
それは、私が学んだ、
最も泥臭くて、最も気高い、
「真実」のひとつでもあります。
読後の温度、そして気づき
読み終えたあとに残るのは、
派手なカタルシスではありません。
それは、マグカップの余熱のような、
ホッとする感覚です。
自分の不器用な恋愛を、
「これでいいんだ」
と肯定してもらえるような、
やさしい光。
この詩は、読者であるあなたに、
こう問いかけている気がします。
「あなたは、不完全なままの自分を、
そして相手を、抱きしめる準備ができている?」
もし、あなたが今、
誰かとの関係に悩み、
自分の至らなさに沈んでいるのなら。
どうか、この詩をもう一度、
ゆっくりと読んでみてください。
完璧な愛なんて、少女の憧れであればいい。
現実の私たちは、傷つきながら、迷いながら、
それでも「今」という光を、
繋ぎ止めていけばいいのです。
「この先もずっと」 という最後の一行は、
未来への約束というよりは、
今を積み重ねていく決意の表明のように響きます。
冬の凍てつく空気さえも、
二人の絆を強くするためのエッセンスに変えてしまう。
そんな強くてしなやかな感性が、
この短い言葉の中に凝縮されています。
fin d’un début
ある始まりの終わり
Rosemary White Hot Chocolate(ローズマリー香る、大人のホワイト・ショコラショー)
ホッと一息。おすすめのドリンクを紹介。

この詩が持つ
「冬の冷たさの中にある確かな体温」と、
少しの「切なさ」に寄り添う、
白いホットドリンクを。
ホワイトチョコの甘さは、
傷ついた心を癒すための処方箋。
そこに添えるローズマリーの香りは、
現実を生き抜くための、
清涼な知恵を授けてくれます。

Recipe
- 牛乳(またはオーツミルク):200ml
- ホワイトチョコレート:30g(細かく刻んで)
- ローズマリーの生枝:3cmほど(1本)
- 岩塩:ほんの少々(甘さを引き立て、輪郭を作る魔法)
- マシュマロ:お好みで(キッチュな可愛さをプラス)
Method
- 小鍋に牛乳とローズマリーを入れ、弱火でゆっくりと香りを移します。決して沸騰させないで。香りは繊細なもの。急かすと、苦味が出てしまいます。
- 牛乳が温まったら、ローズマリーを取り出し、ホワイトチョコレートを入れます。
- ゆっくりと円を描くように混ぜて、チョコを溶かします。ここでひとつまみの岩塩を。これが、大人の女性の「隠し味」です。
- カップに注ぎ、お好みでマシュマロを浮かべて。
温かなショコラが喉を通るたび、るぅにぃ様の言葉たちが、あなたの心に深く染み渡っていくのを感じるはずです。
このコラムが、
ブルーなあなたの心に、
静かなキャンドルを灯せたら、
最高に幸せ。

Une image n’est rien sans vos mots.
― あなたの言葉のない image は、
あなたの言葉なしには何ものでもない
― Une image, sans vos mots,
c’est un plan sans voix.

poetry by るぅにぃ
a film by 一かけらの今
illustration by Velvet Easter Corp.
for those who still believe in love.
まだ愛を信じている、すべての人へ。
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