書簡集|自由な空より、あなたのそばを選ぶこと。マルク・レヴィの言葉と、メープル・ピーカンパイ・アイスラテの甘さが、痛みごと引き受ける愛を、そっと肯定していく。
もし今、
痛みのない自由と、
痛みを含んだ誰かとのそばにいる時間、
どちらかを選べるとしたら。
今日はそんな問いを静かに投げかけてくる、
一篇の恋の詩のお話。
à partir du 30 août 2026
一かけらの今 a l’honneur de soutenir
書簡集

哀しみのない
自由な空を
飛べたとしても
悲しすぎるよ
あなたのそばで
生きていきたい
_________________
Poetry by ある光
愛するということは、自由を手放すことではない。自由に、意味を与えること
「書簡集」というタイトルのその詩には、
こんな一節がある。
哀しみのない自由な空を飛べたとしても、
悲しすぎる。
あなたのそばで生きていきたい——。
この恋を手放しさえすれば、
痛みのない生き方が手に入る。
そんな選択肢を、彼女はきっと、
誰かから、あるいは自分自身の中から、
一度は提示されたことがあるのではないだろうか。
「そんなに辛いなら、離れたほうがいい」という、
一見やさしい忠告のかたちをして。
けれど彼女の答えは、
迷いのない、はっきりとしたものだった。
痛みのない自由を選ぶことのほうが、
よほど耐えがたいという確信。
これは諦めでも、依存でもないのだと思う。
痛みごと引き受けるという、
彼女自身の、能動的な選択なのだと思う。
フランスの現代作家、マルク・レヴィは、
こんな言葉を残している。
« Aimer ce n’est pas renoncer à sa liberté, c’est lui donner un sens. »
— 愛するということは、自由を手放すことではない。自由に、意味を与えることだ。
自由と愛は、
対立するものではないのだと思う。
むしろ、愛することによって初めて、
自由という言葉は、
意味を持ち始めるのかもしれない。
「哀しみのない自由な空」を選ばなかった
彼女の姿は、
この一文と、静かに重なる。
自由の”放棄”ではない。自由の”使い道”として|マルク・レヴィ『Et si c’était vrai…』(邦題:『天国からの奇跡』)
この言葉を書いた作家自身の代表作にも触れておきたい。
事故で昏睡状態にある女性ローレンの魂が、
幽霊のような存在としてアパートに現れ、
新しい住人アーサーと恋に落ちていく物語。
二人の関係は、常識で考えれば、
あまりにも不確かなものだった。
ローレンの身体は病院のベッドの中にあり、
彼女がいつ目覚めるのかも、
目覚めるのかどうかさえもわからない。
それでもアーサーは、
その終わりの見えない関係に、
自分の時間と心を注ぎ続けることを選ぶ。
誰の目にも無謀に見えるその選択を、
彼は自分の自由を”手放した”のではなく、
自分の自由を”使った”のだと、
静かに引き受けていく。
「悲しすぎるよ」と迷いなく答えた詩の彼女と、
不確かな恋にすべてを賭けたアーサーの姿は、
同じ場所に立っているのだと思う。
愛することは、自由の放棄ではなく、自由の”行使”そのもの
人間の自由とは、何にも縛られないことではなく、
自分自身の選択によって、
自らを何かへと投げ出すことによって、
初めて実現するものだという考え方がある。
誰かを愛し、その関係に自分をコミットさせることは、
自由を差し出すことではなく、
むしろ自由をどう使うかという、
その人自身の意志の表れなのだと思う。
愛することの本質は、
痛みに対して無防備になることでもある。
愛と痛みは、切り離せないものだと思う。
けれどそれは、彼女が弱いからではない。
誰かを本気で愛せる人だけが、
その痛みを引き受けることができる。
「哀しみのない自由な空」を選ばなかった彼女は、
弱さではなく、強さを選んだのだと、そう伝えたい。
fin d’un début
ある始まりの終わり
メープル・ピーカンパイ・アイスラテ(Maple Pecan Pie Iced Latte)が香る甘い夜
“こんな夜”におすすめのドリンクを紹介。

イギリスの2026年春夏メニューでも、
プレミアム感のあるドリンクとして提案されているという、
メープル・ピーカンパイ・アイスラテ。
コーヒーの苦みに、
メープルとピーカンの香ばしい甘さが重なる、
少し贅沢な一杯を。

材料(1杯分)
- 濃いめのコーヒー:80〜100ml(エスプレッソなら1〜2ショット)
- 牛乳:120〜150ml
- メープルシロップ:大さじ1
- ピーカンナッツ:10〜15g
- シナモン:少々
- バニラエッセンス:1〜2滴
- 氷:適量
トッピング用
- ホイップクリーム:お好みで
- ピーカンナッツ:少々
- メープルシロップ:少々
- シナモン:少々
作り方
- フライパンでピーカンを弱火〜中弱火で2〜3分ほど乾煎りし、粗く刻んでおく。
- 牛乳に、メープルシロップ、シナモン、バニラエッセンスを混ぜる。メープルが混ざりにくければ、牛乳を少量だけ温めて溶かしてから、残りの冷たい牛乳を加えるとよい。
- グラスに氷をたっぷり入れる。
- 濃いめのコーヒーを、氷の上に注ぐ。
- メープルミルクをゆっくり注ぐと、コーヒーとミルクの層ができる。
- ホイップクリーム、刻んだピーカン、メープルシロップ、シナモンの順に仕上げる。
【ちょい足しレシピ:+りんご】
秋冬には、りんごジャムをほんの少し加えて。メープル、ピーカン、りんご、シナモンが重なって、まるでアップルパイ・ラテのような一杯に。
哀しみのない自由な空より、
痛みごと誰かのそばにいることを選べる強さがある。
今夜はその強さに、
そっと乾杯を。
じゃあ、またね!

Une image n’est rien sans vos mots.
― あなたの言葉のない image は、
あなたの言葉なしには何ものでもない
― Une image, sans vos mots,
c’est un plan sans voix.

poetry by ある光
a film by 一かけらの今
illustration by Velvet Easter Corp.
for those who still believe in love.
まだ愛を信じている、すべての人へ。
あなたの「恋」を、ぜひここに
誰かに話すほどではないけれど、
自分の中では忘れられない瞬間。
言葉にできないほど切なかった夜や、
今でも胸が温かくなる記憶。
あなたの心の中にある大切な『恋』の欠片を、
少しだけお裾分けしていただけませんか?
※お送りいただいたメッセージは、編集部にて大切に拝見いたします。
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