ひとしずくの恋 | 恋愛詩集 by 弓 リツ
![恋愛詩 好きな人を忘れる方法がない](https://hitokakeranoima.com/wp-content/uploads/2023/02/4400_800-800-550.jpg)
あいのうた
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君の好きな曲をずっと流して
君のことを想っている
最近ずっとこんな感じ
このフレーズが好きなんだねと
自然に笑みが零れている
君らしいと僕も気に入る
今度二人で一緒に聴こうよ
そのフレーズを僕が歌うよ
愛してるって僕から言うよ
恋心
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恋の前駆体が駆け巡る
君に会うと増えていく
消える前にかき集めて
心にきちんと仕舞って
そして恋になる前日に
花束を持って会おうか
手
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手をつなごう
何でもいいから
手をつなごう
君が分かるから
辛くても泣かない君の
心が分かる気がするから
微笑みの中の悲しみに
寄り添える気がするから
手をつなごう
そして眠ろう
一緒に
琥珀のかけら
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秋の太陽は黄色くて
くすんだ空気を寂しく照らす
夏の日射しで褪せた緑
あの暑さで溶けた赤色
元の場所に戻った君と
変わらずここに居る僕
熱に押され手を繋いでいたら
今頃温もりを分けていたかな
虫の声がまだ聞こえるから
夜が来てもひとりじゃない
君はなにを思っているかな
誰かの隣で寝ているのかな
眠れない夜が明けていく
窓の外を眺めている
あの空から降り注ぐ
琥珀のかけらを拾いに行こう
冷たい手
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春が終わり夏が始まるのに
君の手は冷たいまま
冷たい風が冷やしたまま
手が冷たい人は心が温かい
なんて言うけれど
僕は心が冷たいのかな
分からない
けれど、いつでも温かい僕の手で
君の手を温めたい
君の心が温かいのなら
僕の冷たい心で冷えないように
手だけでいい
つなぎたい
Journey in to Chapter II
第2章へ続く
Chapter II
一つの光景
ひとしずくの恋
![](https://hitokakeranoima.com/wp-content/uploads/2023/02/4400_800.jpg)
青空が泣く日は
星を集めて瓶に入れよう
月夜が陰る時は
朝の香りを想って寝よう
儚い恋でした
空から見ていますか?
美しい夢でした
今の私はどうですか?
ひとしずくの恋の水が
乾いて枯れないように
毎日水遣りを欠かさず
あなたが願った世界を
胸に抱いて私は生きる
さよなら初恋
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桜が咲いたら引っ越す君に
何を言えばいいだろう
今さらずっと好きだった
なんて言ったらきっと困るよな
君との話が好きでした
君の隣りが好きでした
君の笑顔が好きでした
君が大好きだったんだ
桜の花の散るころに
僕はまた思い出す
君の隣りにいれたこと
君が話してくれたこと
君が笑ってくれたこと
君を大好きだったこと
もうすぐ夏
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ペットボトルを鞄に入れて
空の機嫌をみながら自転車で
お気に入りの喫茶店まで
君と一緒に出掛ける昼
まだ夏じゃないのに
小さな扇風機が
君の横で回っている
かき氷はまだだったね
また来月一緒に行こう
そうしたら
イチゴ味のかき氷が
君の舌を赤くして
僕の心を赤くする
晴れのち曇り一時雨か雪
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明日晴れるかなんて分からない
君の心だって明日は分からない
ずっと晴れだとつまらない
ずっと雨だと悲しくなる
だから時々曇って喧嘩して
雪みたいに凍っても
晴れのち曇り一時雨か雪
繰り返して僕たち
ずっと一緒にいよう
もうすぐ冬
![](https://hitokakeranoima.com/wp-content/uploads/2022/12/712172_800.jpg)
急に冷えた朝
去年、君がくれたマフラー
ちょっと早いけれど
首にふわりと巻く
衣替えで出したばかり
やわらかく優しい香り
それから君の温もり
隣じゃなくても感じる
着込んだ僕を笑って見送る君
真冬になったらどうするの
そしたら一緒に手を握って歩くよ
コートのポケットの中で
fin d’un début
ある始まりの終わり
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