柔らかな光
届かないラブレター
知ってほしい
わかってほしい
想いばかりが先走っても
肝心の言葉は見当たらない
あれも違う
これも違う
どうにか形にしてみたけど
やっぱり“これじゃない感”
こんなことが言いたいんじゃない
感情的になって伝わるわけでもなく
繰り返してしまうのは
届かないラブレター
アクアマリンの憂鬱
次の角を曲がったら
20%に届かない確率に
今日の運勢は下降気味
アクアマリンのお守りは
今のところ効き目ゼロ
愛を育むお守りも
愛がなければはじまらない
魚座のお願いも
こればっかりは叶わない
ヒロイン願望
ジュリエットやベガのように
わずかな瞬間だけでいいのに
スパークして燃え尽きても
後悔はしないのに
知ってるよ
素通りしてることくらい
アンテナに引っかかるには
まだ早いみたい
大人の恋の落ち方 初級編
かすかに覚えてる最初は
いつも誘ってくれるリーダー
後ろを付いていると安心できた
特別な意味を持ったのは
11歳のある春の日
余所からやってきた未知の輝きに憧れた
どっちとも同じようで違う今は
垣間見た孤独と寂しさ
正と負を一緒に抱え込む姿に
一瞬で惹かれた
偶然から生まれた必然が
私を変えた
ドラセナ
あとちょっと
勘違いさせる優しさは毒
甘い蜜で呼び寄せるのに
あと少しのところで閉じてしまう
まだ飛べなくても
分け与えたのは戯れ
罠でもないのにはまったのは
彼女と同じだよね
Journey in to Chapter II
第2章へ続く
Chapter II
一つの光景
乙女の初期症状
早い者勝ちじゃないのに
主張したくなる
「もっと前から」「こんなにも」
意味のないことでも
なりふり構っていられない
どこかで見下してた乙女の暴走
グッと堪える立場になるなんて!
冬の大三角形
キャンプの小さな焚き木の火は
ほんの数歩遠ざかれば別の世界
あったかいココアを両手に
私を見つけたあなた
閉じた世界に
特別を見出そうとするのは悪い癖
他愛のない話は
5分とも1時間とも取れる濃密さで
取るに足りないことも
私にとっての唯一
立ち上がった次の瞬間には
あなたはきっと忘れてるけど
私は一生忘れないよ
12等星
過ぎる日々は悲しいほど早いのに
1つ1つ小さなきらめきを伴って
私だけが見つけられる
魚座のヴァンマーネン
ポラリス
悩んだとき
迷ったとき
悲しいことがあったとき
苦しく押しつぶされそうになったとき
いつでもそっと導いてくれた
変わらない態度で
変わらない場所にいて
柔らかな光で
進むべき道を照らしてくれる
あなたは私の
スタンディングスタート
愛すべきお節介さんは
不意打ちで混沌の中へと押しやった
先にあったのはジェット気流で
上も下もなく翻弄されるまま
気が付けばあなたは目の前に
気の利いた言葉も
可愛らしい笑顔もなかったけど
ゴールの見えないスタートラインに
今
並び立った
fin d’un début
ある始まりの終わり