君の倖せを祈れない|自分を「なんか」と呼ぶのは、もうやめよう。トニ・モリスンの言葉と、ふわりと浮かぶベリー・クラウド・コーヒーが、祈れない夜をそっと肯定していく。
倖せを祈れない、
けれど、
祈りたい。
矛盾しているようで、
実はいちばん正直な気持ちなのかもしれない。
彼女の恋愛を想う夜。
à partir du 5 septembre 2026
一かけらの今 a l’honneur de soutenir
君の倖せを祈れない

私なんかを
愛してくれた
沈む夕日を
追いかけた
戻らないこと
わかっていても
君の倖せを
祈りたい
_________________
Poetry by ある光
あなた自身が、あなたにとっていちばん大切なもの
「君の倖せを祈れない」
——けれど詩の最後の一行は
「君の倖せを祈りたい」
このタイトルと結末の”ずれ”にこそ、
彼女の本当の気持ちが表れているように思う。
「私なんかを愛してくれた」という一節に、
彼女の自己評価の低さが滲んでいる。
自分を愛してもらえたことを、
当然のことではなく、
むしろ意外なことのように感じている。
そして、相手の幸せを本気で願える”できた自分”になりたいのに、
実際にはまだそこに到達できていない。
タイトルの「祈れない」は、
その正直な現在地なのだと思う。
「沈む夕日を追いかけた/戻らないこと わかっていても」
という一節には、
もう終わったことだと頭ではわかっていながら、
心はまだ追いかけてしまう、という
引き裂かれた状態が描かれている。
彼女は、自分をきれいに整えようとするあまり、
まだ整いきっていない本音に、
少し苦しんでいるのかもしれない。
アメリカの小説家で、
ノーベル文学賞を受賞したトニ・モリスンは、
こんな言葉を残している。
« You are your best thing. »
— あなた自身が、あなたにとっていちばん大切なもの。
深い喪失と自己嫌悪を抱えたヒロインに向けて、
ある人物がかけるこの一言。
「私なんかを愛してくれた」という詩の一節に、
静かに反論してくれる言葉だと思う。
自分を「なんか」と呼ぶ必要は、
本当はどこにもない。
ショーンがウィルに伝え続けた言葉|『グッド・ウィル・ハンティング/旅立ち』(ガス・ヴァン・サント監督)
ガス・ヴァン・サント監督の映画
『グッド・ウィル・ハンティング/旅立ち』を思い出す。
天才的な頭脳を持ちながら、
過去のトラウマから自分に価値がないと思い込んでいる青年ウィルと、
彼と向き合うセラピストのショーンを描いた作品だ。
物語の終盤、ショーンはウィルに、
ある一文を繰り返し伝え続ける。
「君のせいじゃない」
最初は反発していたウィルも、
何度も繰り返されるうちに、
ついに崩れ落ちて泣き出してしまう。
彼はずっと、
自分の過去や欠点のせいで、
自分には価値がないと思い込んでいた。
「私なんか」という言葉の裏にある、
根深い自己否定を、
誰かが根気強く覆していく物語。
トニ・モリスンの
「あなたは、あなた自身の中で、いちばん良いもの」
という言葉と、
とてもよく似ている。
「私なんか」という言葉を、そっと手放してみて
受容というものは、
劇的な瞬間に一気に訪れるものではないのだと思う。
もっと静かに、
少しずつ足を踏み入れていく場所のようなもの。
「祈れない」から「祈りたい」へ、
まだ途中にいる彼女に、
急がなくていいと伝えたい。
人はみな孤独に生まれ、
孤独に死んでいく存在だからこそ、
まず自分自身を愛し、
いたわることが出発点になるのだと思う。
「祈りたい」と思えているだけで、
もう十分。
その途中経過そのものを、
まるごと肯定してあげたい。
そしてもう一つ
——「私なんか」という言葉を、
そろそろ手放してもいいのだと思う。
fin d’un début
ある始まりの終わり
揺れる想いに、ベリー・クラウド・コーヒー(Berry Cloud Coffee)を
“こんな夜”におすすめのドリンクを紹介。

ふわりと浮かぶ、
雲のようなベリークリーム。
海外のカフェドリンクのトレンドでも見られる、
見た目の可愛さと味わいを両立させた一杯。
揺れる気持ちのまま、
今日はこの一杯を淹れてみたい。

材料(1杯分)
- アイスコーヒー:120ml
- 氷:適量
- 牛乳またはオーツミルク:50ml
- バニラシロップ:小さじ1
ベリー・クラウド
- 生クリーム:40ml
- 牛乳:20ml
- ベリーシロップ:小さじ1〜1.5
- はちみつまたは砂糖:小さじ1
- レモン汁:ほんの少し(2〜3滴)
仕上げ
- ラズベリーまたはブルーベリー:少々
- 粉糖:少々
- ミント:あれば
作り方
- ボウルに生クリーム、牛乳、ベリーシロップ、はちみつを入れ、ハンドミキサーやミルクフォーマーで泡立てる。完全なホイップクリームにはせず、飲み物の上にふわっと浮くくらいの、ゆるいムース状に仕上げる。最後にレモン汁を2〜3滴加えると、ベリーの味がキュッと締まる。
- グラスに氷をたっぷり入れ、牛乳、バニラシロップ、アイスコーヒーの順に注ぐ。透明グラスを使うと、層がきれいに見える。
- スプーンを使って、ベリー・クラウドをそっと表面にのせる。グラスの内側から中央へ少しずつのせると、ふわっとした雲のような仕上がりになる。
- ブルーベリーやラズベリー、ミントを飾り、お好みで粉糖を少しかける。
「祈れない」と「祈りたい」の間で
揺れる夜も悪くない。
その揺れごと、
今日はそっと味わってみよう。
じゃあまたね!

Une image n’est rien sans vos mots.
― あなたの言葉のない image は、
あなたの言葉なしには何ものでもない
― Une image, sans vos mots,
c’est un plan sans voix.

poetry by ある光
a film by 一かけらの今
illustration by Velvet Easter Corp.
for those who still believe in love.
まだ愛を信じている、すべての人へ。
あなたの「恋」を、ぜひここに
誰かに話すほどではないけれど、
自分の中では忘れられない瞬間。
言葉にできないほど切なかった夜や、
今でも胸が温かくなる記憶。
あなたの心の中にある大切な『恋』の欠片を、
少しだけお裾分けしていただけませんか?
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