Distance| 何度でも伝えていい、ブロニー・ウェアが見た死の間際の後悔と、ピスタチオ・ラテのほろ苦さが、伝えることへの迷いをそっと解いていく。
もし今夜、大切な人にかける言葉が
「あと一つだけ」しか残されていない
としたら、
あなたは何を伝えますか?
この恋の詩は、
そんな問いを、そっと、
胸の奥に置いていきます。
à partir du 9 août 2026
一かけらの今 a l’honneur de soutenir
Distance

ねぇ知ってる?
人は死ぬとき
したことよりも
しなかったことを
後悔するんだって
だから何度でも
伝えるよ
ありがとう
愛してる
もっと素直に、自分の気持ちを言葉にする勇気を持てばよかった
「人は死ぬとき、したことよりも、しなかったことを後悔するんだって」
詩の中の彼女は、そう静かに切り出す。
この一行の奥には、
死や別れという、取り返しのつかなさへの
現実的な怖れが潜んでいるように思う。
相手との間にある距離——
それは物理的なものかもしれないし、
心と心の間に、
ふと生まれる小さな隔たりかもしれない。
その距離が、
いつか本当に取り返しのつかないものになってしまうことを、
彼女はどこかで予感しているのではないだろうか。
オーストラリアで長年、
終末期の緩和ケアに携わってきた看護師、
ブロニー・ウェアは、
著書の中でこう記している。
« I wish I’d had the courage to express my feelings. »
— もっと素直に、自分の気持ちを言葉にする勇気を持てばよかった。
これは、彼女が看取ってきた多くの患者たちが、
人生の最期に共通して口にした
後悔のひとつだという。
したことへの後悔ではなく、
しなかったことへの後悔。
詩の一行目と、
驚くほど同じ場所を指している、言葉。
「いっつもこうなんだ。ちょっと間に合わないんだ。」(是枝裕和『歩いても歩いても』より)
是枝裕和監督の映画『歩いても 歩いても』の中に、
忘れがたい一言があります。
実家に帰るバスの中で、
ふと思い出せなかった相撲取りの名前を悔やみながら、
主人公がつぶやく台詞。
「いっつもこうなんだ。ちょっと間に合わないんだ。」
人生というものは、いつだって、
ほんの少しだけ間に合わない。
伝えたい言葉も、
確かめたい気持ちも、
いつも一歩遅れて気づく。
どうやっても完全に”間に合う”ことなど、
ないのかもしれない。
けれどだからこそ、
日々の中で、
誰かに思いを寄せておくことに意味があるのだと思う。
完璧なタイミングを待っているうちに、
そのタイミング自体が、
静かに過ぎていってしまうから。
今できることをやっておくことに引け目を感じなくていい
詩の中の彼女は、
「だから何度でも伝えるよ」と続ける。
けれどその言葉の裏には、
「何度も言うのは重いかな」
「これって、しつこいかな」という、
小さな迷いも隠れているような気がする。
今すべきことを、
今すべき言い方で、
今すべき心で行うこと。
それは決して、性急さでも、重さでもないと思う。
「ありがとう」も「愛してる」も、
何度伝えたところで、
多すぎるということはない。
今できることをやっておくことに、
引け目を感じる必要はどこにもない。
fin d’un début
ある始まりの終わり
「甘すぎない」ピスタチオ・クリーム・ラテ (Iced Pistachio Latte)に「長く続く恋愛」を重ねて
“こんな夜”におすすめのドリンクを紹介。

ヨーロッパのジェラートや
スイーツ文化から派生した、
ピスタチオブーム。
その流れを汲んだ、
贅沢なアイスラテがある。
グラスの縁や内側にピスタチオペーストを塗り、
濃厚なピスタチオフォームとエスプレッソを重ねた、
少し大人びた一杯。

材料(グラス1杯分)
- ピスタチオクリーム(またはピスタチオバター、シロップ):大さじ1〜2
- 冷たい牛乳(または豆乳・オーツミルク):1カップ
- エスプレッソ:1〜2ショット(または濃いめに淹れたコーヒー1/2カップ)
- 氷:1/2カップ
- 刻んだピスタチオ(お好みで、飾り用)
作り方
- グラスの内側にピスタチオクリームを薄く塗っておく。
- 氷を入れ、冷たい牛乳を注ぐ。
- 仕上げにエスプレッソを静かに注ぎ、お好みで刻んだピスタチオを散らす。
ちょい足しレシピ:夜カフェ風「大人のちょい足し」
エスプレッソを注ぐ段階で、アマレット(杏仁風味のリキュール)またはダークラムをティースプーン1杯忍ばせると、ナッツの香ばしさとリキュールの甘い香りが調和した、極上のディナー後デザートカクテルに変わります。
甘すぎない後味は、
長く続く恋愛にも似ている。
今日伝えられることは、
今日のうちに、
そっと言葉にしておきたいものね。
それでは、また!

Une image n’est rien sans vos mots.
― あなたの言葉のない image は、
あなたの言葉なしには何ものでもない
― Une image, sans vos mots,
c’est un plan sans voix.

poetry by ある光
a film by 一かけらの今
illustration by Velvet Easter Corp.
for those who still believe in love.
まだ愛を信じている、すべての人へ。
あなたの「恋」を、ぜひここに
誰かに話すほどではないけれど、
自分の中では忘れられない瞬間。
言葉にできないほど切なかった夜や、
今でも胸が温かくなる記憶。
あなたの心の中にある大切な『恋』の欠片を、
少しだけお裾分けしていただけませんか?
※お送りいただいたメッセージは、編集部にて大切に拝見いたします。
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