砂の女 | 「愛してる」の言葉の裏側にある、信じるという決意。エーリッヒ・フロムの箴言とViolette impérialeの香りが、傷つきやすい「砂の心」を真実の愛へと導いていく。

恋愛詩 好きな人に眠れないメール
好きな人に眠れないメール

こんなにもお天気。
東京の片隅で、
言葉を紡いでいる私です。

4月の柔らかな光が、
部屋の隅にある
古い小説の背表紙をなでる午後。
皆さんは、
どんな気持ちでこの春を
迎えていますか?

本日は、クリエイティブ・ユニット、
ある光による「砂の女」をご紹介。

さらさらと指の隙間から
こぼれ落ちるような、
けれど確かな存在感を持つ
この詩を読み解きながら、
大人の女性の
「本当の願い」
について
少しだけお話ししましょう。

I am looking for the key to set us free.

à partir du 9 avril 2026
一かけらの今 a l’honneur de soutenir

砂の女

Created by 一かけらの今

私は砂
わからないの?
バカだねあなた
愛してるとか
「つもり」ばかりで
冗談じゃない
愛してみてよ
闇夜の蠍

『愛してる』だけでは足りない理由

ドイツの社会心理学
哲学者エーリッヒ・フロム
(Erich Fromm)は、
その著書
『愛するということ』の中で
こんな言葉を残しています。

« Love is an act of faith,
and whoever is of little faith is
also of little love. »
(愛は信じる行為。
信じる力が少ない人は、
愛する力もまた小さくなる。)

「愛してるとか
/『つもり』ばかりで」
という吐露。

「愛してる」というフレーズは、
口にするのはとても簡単です。
けれど、それは時に、
自分の気持ちをなだめるための
「つもり」
に過ぎないことがあります。

フロムが説くように、
愛とは感情の波に身を任せることではなく、
相手を信じ抜くという意志の力であり、
具体的な行動そのものです。

言葉だけで満足して、
肝心の「あなた自身」を
見てくれない相手に対して、
「冗談じゃない」と
突き放したくなるのは、
あなたがそれだけ真剣に
愛に向き合おうとしている証拠。

言葉の向こう側にある
「信じて動く」
という勇気が欠けているとき、
恋はただの
独り言になってしまう
のかもしれません。

傷つきやすい心ほど、本気の愛を求めている

彼女は自らを「砂」と呼び、
彼を
「闇夜の蠍」
に例えています。

砂は、一見どこにでもあって、
どんな形にもなれるように見えます。

でも、強く握りしめれば
指の間から逃げてしまい、
風が吹けば
どこかへ消えてしまう。

そんな「砂」のような繊細さは、
実は自分を守るための
精一杯の防御反応だったりもします。

一方で、闇夜を這う「蠍」は、
攻撃的な鋭さの象徴。

もしかしたら彼は、
自分の弱さを隠すために、
あえて尖った態度を取ったり、
言葉で優位に立とうとしたり
しているのかもしれません。

けれど、
砂の女が本当に求めているのは、
彼女を「雑に扱わないこと」。

「バカだねあなた」という
言葉の裏には、
「私の脆さを、
その鋭い針で傷つけないで。
もっと丁寧に、
そのままの私を理解して」
という切実な祈りが
隠されています。

傷つきやすい心を
持っているからこそ、
私たちは
「なんとなくの愛」では
満足できないのです。

愛は、相手をわかろうとする勇気から育つ

フランス語に
「Comprendre(コンプランドル)」
という言葉があります。

「理解する」という意味ですが、
語源を辿ると
「共に(com-)掴む(prehendere)」
という意味になります。

恋愛において大切なのは、
一方的に愛を注ぐことでも、
愛されることでもなく、
相手という未知の世界を
「共に掴み取ろう」とする
姿勢ではないでしょうか。

相手がなぜ今、
砂のように冷たくなっているのか。
なぜ蠍のように心を閉ざしているのか。

その背景にある寂しさや
孤独にまで想像力を働かせ、
一歩踏み込むこと。

すれ違いの波に飲まれそうなときこそ、
「相手をわかろうとする勇気」が、
二人の関係をただの
「ごっこ遊び」から、
本物のパートナーシップへと
変えてくれるはずです。

今のあなたに必要なのは、
無理に形を作ることではなく、
ただ静かに、
互いの「ありのまま」を
見つめる時間なのかもしれません。

fin d’un début
ある始まりの終わり

Violette impériale(ヴィオレット・アンペリアル)

“こんな夜”におすすめのドリンクを紹介。

詩を読んだ後の高揚感と、
少しの切なさを癒してくれるのは、
スミレの香りが漂う
ロマンチックなノンアルコール・カクテル。

フランスのナポレオン3世の妃、
ウジェニーが愛したといわれる
スミレの色を楽しみましょう。


Created by 一かけらの今

深い紫から淡いピンクへのグラデーションは、まるで夜が明ける直前の空のよう。一口飲むごとに、強張っていた心が少しずつ解けていくはずです。

Recipe

  • すみれシロップ:20ml
  • りんごジュース:60ml
  • 炭酸水(無糖):適量
  • ラズベリー:2〜3粒
  • 食用すみれ(あれば):1輪

Method

  1. 冷やしたグラスに、すみれシロップとりんごジュースを入れ、よくステアします。
  2. 氷を静かに入れ、炭酸水を注いで軽く混ぜます。
  3. 仕上げにラズベリーを浮かべ、食用スミレを添えて完成です。

「砂」のように
掴みどころのない私を、
まるごと愛してくれる誰か。

そんな存在を待つのもいいけれど、
まずはあなた自身が、
自分の繊細さを
慈しんであげてくださいね。

それでは、また。

Une image n’est rien sans vos mots.


― あなたの言葉のない image は、
あなたの言葉なしには何ものでもない

Une image, sans vos mots,
c’est un plan sans voix.

#恋詩絵 Created by 一かけらの今

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poetry by ある光
a film by 一かけらの今
illustration by Velvet Easter Corp.

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あなたに告白するのは きっと 恋の終わり あなたをあきらめることは きっと 恋の始まり 思い出だけ それでいいの いつかは今が コワくなるから

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