ホントウノソラ
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1+1=2
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1+1=2
じゃなくてもいい
あなたはそういうけど
わたしはやっぱり
2でありたい
でも
背伸びばかりしてるから
ほら
石ころにつまずいた
あなたは苦笑いして
わたしをそっと
受け止める
0.5のわたしを
0.5のやさしさで
スミレ
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憧れの
女優のように
なりたくて
大きな瞳
スッとした鼻
シャープなあご
理想の顔を
絵に描いて
あなたに見せた
返ってきたのは
たった一言
「スミレは
バラには
なれない」
傷つきながら
眠りについて
目覚めた朝
枕元に
スミレの花
シアワセの分量
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どこまでも
青くて
冷たい
冬空を
見上げて
あなたが
つぶやく
ソラノムコウ
手を伸ばせば
あなたに
触れることができる
冷たさ
わたしとあなたの
心を
握りしめている
この痛みと
どちらがどれだけ
シアワセなの?
talking bird
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会えるのに
会わない
伝えられるのに
伝えない
誰も知らない
2人の関係
見えないけれど
つかめる形がある
むずかしい
恋をしている
あなたは
なにも言わない
talking bird
わたしの恋に
気づかない
波紋
![](https://hitokakeranoima.com/wp-content/uploads/2021/02/mario-caruso-AUndm6BpSf4-unsplash.jpg)
夕暮れの湖
水面にひろがる
静かな漣は
あなたの心みたいで
わたしが小石を
投げたくらいじゃ
何も変わらない
そんなこと
わかってる
わかってるけど
音もなく消えていく
わたしが投げた小石の
小さな波紋くらい
あなたの胸に
残してみたい
あなたの後ろ姿が
夕陽に染まるのを
見ているだけのわたし
Journey in to Chapter II
第2章へ続く
Chapter II
一つの光景
ミステリー
![](https://hitokakeranoima.com/wp-content/uploads/2021/02/lea-dubedout-y3ZT2jzr1mA-unsplash.jpg)
ふわふわとした
セーターが苦手
雑誌みたいな
メイクが苦手
ハーレクインより
ハードボイルドな
ミステリーが好き
それでも
かわいいと思われたくて
あの子のことを
真似してみる
うそつきって
言われてもいい
飛ばずに消えた
シャボン玉みたいに
地面に滲んで
消えてしまってもいい
ソーダ水
![](https://hitokakeranoima.com/wp-content/uploads/2021/02/eduardo-goody-y4jLle5bCGY-unsplash.jpg)
君がね
君とね
君のね
名前じゃなくて
さんでもなくて
わたしのこと
君と呼ぶ
少しだけ
他人行儀で
少しだけ
したたかな
ソーダ水みたいに
甘い匂いのする
あなたの肩が
触れた
8月のはじまり
あれから
近づきも
重なりもしない
いくつかの季節
君がね
君とね
君のね
プラネタリウム
![](https://hitokakeranoima.com/wp-content/uploads/2021/02/andrii-leonov-Z3GE0L3mmsg-unsplash.jpg)
あなたは水瓶座で
わたしは魚座で
いつも隣同士だから
絶対に
見つめ合えない
肩をぶつけて
笑い合えるのに
あなたの瞳の暗さに
気づけない
水瓶座の真正面にいる
獅子座のあの人が
あなたを悲しく
させているのを
知っているから
あなたの隣で
わざと大きな口をあけて
ポップコーンを
食べてみせた
冬のプラネタリウムで
誕生日
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もうすぐ
あなたの誕生日
「何が欲しい?」
わたしが聞いたら
あなたは
特別うれしそうでもなく
読みかけの本から
顔を上げずに言う
「自由な恋」
「綺麗な箱に入れて
リボンをかけて贈ったら
あなたはどうするの?」
「食べるよ
3時のおやつに
紅茶なんかと一緒に」
嘘つきな
あなた
きっと
その日が来ても
あなたは
黙って本を
読んでいるだけなのに
プロペラみたいな
花びらが落ちる
夕暮れ
ホントウノソラ
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アナタハ
トウキョウニハ
ソラガナイトイフ
ホントウノソラガ
ミタイトイフ
傘を傾けて
雨空を見上げるあなたの
ホントウノソラは
どこにあるの
矢車菊のアオは悲しいと
あなたは言った
青じゃなく蒼だから
悲しいのだと
雨と矢車菊と古い文庫本と
あの日から
あなたが
わたしの中にいる
fin d’un début
ある始まりの終わり