あなたはその大きな手で髪を撫でる
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月の満ち欠け
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わたしとあなた
風のはじまりと
風の終わりくらい
違う場所で息をしてきた
あなたの方が少し多く
月の満ち欠けを数えたよね
迷い込んでも
そっと救い出してくれる
優しい月の満ち欠けを
見えない青
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同じ色が続く映画を
じっと見ていると
セピアに巻かれて
何か大切なことを
忘れているんじゃないかって
不安になるの
だけどあなたが隣にいるだけで
見えない青に飲み込まれても
何も聞こえなくても
ただ、今が大切なんだってわかる
空に生えた樹
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小さな指で
空に生えた樹をつまむ
白昼夢の淵にいるみたい
少し冷めたミントティーに
昨日の会話を浮かべたら
また湯気がたちのぼった
ウェッジウッドの中で
何度もあなたの声を再生して
目を閉じる
心の輪郭を撫でるような
あなたの優しい声
デカルコマニー
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好きな色だけじゃもったいない
似合う色だけでももったいない
時々あなたは
子供みたいに大胆になる
立ちすくむ私のことさえ
簡単にさらってしまう
たくさんの色に想いをこめて
デカルコマニーみたいに
2人の形を写し出すの
カイト
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目がくらむブルーに
気ままなカイトを泳がせて
そのまま季節を越えるように
どこまでものぼっていった
声が届かない場所は
宇宙とどれくらい近いかな
突然の風に揺られても
ピンと張り直す糸の感触
Journey in to Chapter II
第2章へ続く
Chapter II
一つの光景
日時計
![](https://hitokakeranoima.com/wp-content/uploads/2021/05/6029_800.jpg)
いつからか
同じ太陽が朝を告げることを
知っていたけど
それは何歳の頃だったろう
日時計がめぐる
あなたの影はいつも
わたしを包むように寄り添っている
振り返りながら
歩幅を合わせながら
不安げなわたしのことを
じっと見つめながら
blue day
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どんなに唇に力を入れても
こぼれてしまう涙がある
どんなに笑おうとしても
心に砂が溜まっていくような日
そんな日はたった1人
部屋に閉じこもって
あなたの顔を思い出す
笑顔もいいけど
何かを考えて1人の世界にいる
そんなあなたの横顔も好き
新緑の街
![](https://hitokakeranoima.com/wp-content/uploads/2021/05/7889_800.jpg)
花は幻みたいに
すぐに新緑が街を塗り替える
あのむせかえるような
緑の香りの中を
2人で歩いて行く
同じ空気を吸っている
同じところで笑う
指の背と背が触れたら
それは愛しさの合図
かかと
![](https://hitokakeranoima.com/wp-content/uploads/2021/05/9435_1500-1024x683.jpg)
わたしの心に雨が降りやすいこと
たまに冗談を信じてしまうところ
乾いた場所と譲れない場所があること
あなたはお見通しだった
わたしはまだまだ
あなたに届かずに
ぐっとかかとを上げている
それをなだめるように
あなたはその大きな手で髪を撫でる
レースフェーベル
![](https://hitokakeranoima.com/wp-content/uploads/2021/05/3962993_1500-1024x683.jpg)
意味のない秒針はなかった
全部あなたに繋がっていた
緑の街をくぐって
風の強い日も
笑えない日だって
隣を歩けますように
旅立ちの朝
未来がチラチラと光っている
fin d’un début
ある始まりの終わり