おわって、そして、はじまって
ままごと
誓いの言葉は
ドゥオモで沈む夕日を眺めながら
アビーロードは興味ないけど
仕方ないから一緒に渡ってあげる
スペイン広場では
ジェラートをごちそうしてね
オンフルールとエズは揉めたけど
どっちもなんて「らしい」答え
最期は2人手をつないで
ラップランドのオーロラの下で
願掛け
待ち人は
いつになってもやってこない
ラッキーカラーだって
毎日身につけた
大好きなカヌレを断って
クラフティも我慢した
鬱陶しいと思いながら
髪も切らないでいたのに
どうして?
神様はきっと
ここにはいない
大っ嫌い
ちょっと鼻にかかる声も
右足の小さな爪も
お気に入りだったのに
ビートルズにニルヴァーナ
ジミヘンだって
好きになったのに
もう耳にしたくない
駅前のカフェも
駒沢公園も
赤のビートルも
朝焼けも
あなた以外の誰かとじゃ
大っ嫌い
不意打ち
街路樹が囁いた
早く忘れなよ
猫が鳴いた
ご愁傷様
風が吠えた
アレもコレも運命さ
魔女がそっと包んだ
濡れた体を早くお拭きよ
つま先の冷たさに目を落とせば
おろしたての
赤のレペットが台無しだ
コラージュ
あなたの欠片が
消えないように
都合のいいことばかり
思い出しては貼り付けて
もっと沢山あるはずなのに
指の隙間から逃げるように
こぼれ落ちる
セピア色にならないように
あなたの欠片を
かき集めて
鮮やかに色付けて
Journey in to Chapter II
第2章へ続く
Chapter II
一つの光景
たからもの
落ちるものだって
誰かが言ってた
ホントだった
でもカミナリじゃなかった
グレーのなかに
まっさらな白がポトリ
と落ちて
じわじわと広がり
気が付いたら落ちてた
世界はどこまでも
広がったのに
目に入るのはあなただけ
大切なたからものは
まだ私だけの秘密
初心にかえる
同級生の伝道師によると
すぐにOKするのは
愚の骨頂
じゃあいつまで待てばいいの?
そっけない素振りも
少しは必要
すり寄ったりしたら
離れるらしい
今すぐにでも会いたいのに…
何度繰り返したって
はじめるのはやっぱりムズカシイ
初デート
あたたかな風が
頬をくすぐって
見上げれば
透き通るアトランティコ
ほのかに香るのは
たぶんダフネ
軒先では
猫がのんびりまどろんで
赤のシグナルも
今日は機嫌がいい
あなたとのはじめては
やっぱり特別
愛というものは
息をするのも苦しくて
干上がった魚のように
みっともなくもがいてみる
私を見て笑ってる
あなたはヒドイ人
こんなにも苦しいのに
うれしそうに笑ってる
冷たい水に溺れても
身体は熱を帯びるばかりで
楽になりたくて顔を上げても
あなたは離してくれそうにない
どうすればいい?
あなたの側は心地よくて
酷く苦しいの
もっと欲しい
言葉だけじゃ 物足りない
熱を帯びた指先が触れても
それじゃない
時間をかけても満たされない
隣りにいるだけじゃ届かない
溶け合って 絡まって
解けて もつれて
やっぱり足りない
満たされているはずなのに
もっともっと
もっと欲しい
fin d’un début
ある始まりの終わり