冬が春に告げるさよなら
今回だけは
記憶は脆く
なっていく
思い出は薄く
なっていく
嫌な記憶も
美しい思い出
さえも
脆く
弱くなっていく
だからこそ
今回だけは
記憶や思い出に
したくない
過去のものでは
なく
ずっと
今のもので
あり続けたい
はりきりすぎて
はりきりすぎた時こそ
情けなくなる瞬間がある
もっと可愛くいたいのに
顔を赤く染めて
そう悔やんでいるところを
可愛いと
認めてくれる人
そんな一人と出会うために
もう少し
はりきりすぎてみようかな
花
春の桜
夏の向日葵
秋の紅葉
冬のシクラメン
すべての花を
一緒に見た
隣を歩く人
次の季節の花が咲く
また同じ桜が
紅葉が咲く
変わらずに
美しい花を
見ている
私は一人
優しい
髪を内巻きにしてみた
薄いピンクの服を着てみた
血色の良いメイク
笑顔の練習
優しい人になれたなら
君は振り向いてくれるかな
優しい香水をかけて
ふらっと街に出てみた
優しい人が好きな君は
優しそうな人を連れていました
日常の中で
興味のなかったものを
調べるようになっている
好きじゃなかったものを
食べるようになっている
あなたの趣味や好き嫌いが
だんだん私に溶け込んで
最近は私の方から
誘ってみたりしてる
コーヒーを飲んでいる
あなたを
コーヒーなんて飲まなかった
あなたを
Journey in to Chapter II
第2章へ続く
Chapter II
一つの光景
お家に帰ろう
なんでもない夜の道を
ぶらぶら2人で
歩いている
ちょっと小腹が
空いて
コンビニでも目指して
いろいろなところを
歩いて
いろいろなものを
買い込んで
二人で食べた
コンビニの
いつものデザートが
イチバンおいしい
ぶらぶら歩いて
お家に帰ろう
そんな
なんでもないこと
バス停
もうあの時には
戻れないし
普段は忘れてさえ
いるけれど
思い出の場所に
来た時は
必ず
思い出す人がいる
ともに降りたバス停
街は変わり
僕も変わり
きっと君も
変わっているけれど
それでもバス停は
残っている
もういい人と
いるのだろうか
まだこの街に
いるのだろうか
プレゼント
ネックレス
財布
写真たち
バッグ
マグカップ×2
いつかの思い出
全部
何もかも
全部
捨てちゃおう
全部
何もかも
全部
捨てられない
遠い人
そういえば
さよならをした日に
ありがとうを
言えなかった
私の時間を
彩ってくれたのに
あの時は
そんな言葉
言えるはずもなかった
あの人は今
どこで何を
しているんだろう
今なら
言えるかもしれない
もう
偶然に街で会っても
笑っちゃうくらい
遠い人なのに
farewell
別れる間際の
夜は
静かすぎる
ほどでした
すれちがいも
何もない
夜でした
別れる間際の
朝は
何故か優しい
ものでした
これまでの
思い出たちを
撫でるような
朝でした
素敵な日々を
受け止めて
終わりにします
ここから
ずっと
fin d’un début
ある始まりの終わり