季節は風のように逃げて
桜
花びらが
ひらひらと舞い散る
並木道
あなたと並んで
歩いた並木道
今は
私ひとりだけ
あなたが歩いていた
私の右側が
今日もあなたを
探している
カフェモカ
お気に入りのカフェ
陽の光を浴びるテラス席
私はいつも
キャラメルシロップたっぷりの
ホワイトティー
あなたは決まって
カフェモカにショット
「そんな甘いの飲めないよ」
そんな風に
笑ってたっけ
「そんな苦いの飲めないよ」
お互い譲らなくて
フフフと笑う
甘いはずなのに
今では苦くて
たまらないの
だから
あなたが好きだった
カフェモカにショット
飲もうとしている
私がいる
少しでもあなたに
近づきたくて
どんなに苦くて
苦しくたって
2という色彩
私の部屋には
2という色彩
おそろいで買った
マグカップ
片割れとなった
スカイブルーが
今もあなたの帰りを
待っているの
私が使う
白のカップも
どこか寂しげに
見えるの
そんな気がして
ならない
潮騒
日焼けするから
行きたくないよ
そんな私を
誘って
泳いだ夏は
いつだったかな
夏の香り
潮騒
今なら
かまわない
だから私を
連れて行って
どこまでも
どこまでも
遠くまで
連れて行って
夏の花
夜空に
小さく輝く
夏の花
一瞬の煌めきは
一期一会
それは
私の心を
満たしてくれる
まるで
あなたみたいだね
一瞬のことわりは
一期一会
儚く消えてしまった
言葉
永遠に続くと
思っていたのは
私だけみたい
だけど
Journey in to Chapter II
第2章へ続く
Chapter II
一つの光景
金木犀
ふっと香る
金木犀
秋の訪れを
感じる香りに
足を止めて
笑い合った日々
今でも鮮明に
覚えているよ
金木犀
今は少し
苦手
あなたがよぎって
仕方ないから
日々
鮮やかに染まる
空を眺めて
頭上に降り注ぐ
1葉1葉
まるで
あたたかな雨の中に
いるみたい
あなたと私は
寄り添って
「冷えてきたね」
なんて
とめどなく
歩いた日も
あったね
目を閉じれば
蘇る
綺麗な
悲しくて切ない
日々
白い世界
吐く息が
そして
舞い散る雪が
世界をどんどん
白く塗っていく
あなたが部屋で
振る舞ってくれた
温かいココアは
ヴァローナよりも
おいしかった
きっとそれは
これからも
変わらない
いつまでも
光
きらびやかな
街並みを
あなたと私で
寄り添って
寒いねと
うなずいて
いつものカフェで
ホワイトティーと
カフェモカ
いつまでも
輝き続ける木々を
見つめて
この時が永遠に
続けばいいのにと
願っていたのは
いつ
フリージア
雪が熔け
誰も彼も
一目散に
コートを脱ぎ
駆け出していく
上を向けば
ピンクの冠
足元に
フリージア
また今年も
心を刺すの
小春日和
私はあといくつ
ため息を
つくのでしょう
あなたにはもう
私は
必要ないというのに
fin d’un début
ある始まりの終わり