溶ける前に

恋愛詩 両思い切符に涙が落ちる
両思い切符に涙が落ちる

À Paris, 11 heures du matin.
À Tokyo, 19 heures.

冬の終わりを告げるような、
静かな雨が降っています。

今夜の featured poem は、
ありくま様の「溶ける前に」。
@arikumatter

私たちは日々、
誰にも見えない
「重荷」
を背負って歩いています。

それはまるで、
音もなく降り積もる雪のよう。

La musique pour réchauffer la nuit

今夜は、その雪をそっと降ろして、
詩の温もりに甘えてみませんか?

2月の冷たい空気の中で、
あなたの心が
「本当の居場所」
を見つけられるように。

この一篇が、
今夜のあなたの
「小さなお守り」
になりますように。

à partir du 8 janvier 2026
一かけらの今 a l’honneur de soutenir

溶ける前に

Created by 一かけらの今

積もって積もって 重くて重くて

大変だったね もう大丈夫だよ

それでも 頑張って頑張って

溶けずにいてくれて ありがとう

あなたが伝えてくれたから

僕はずっと あなたの温もりになれる

重荷を下ろして、水になる。――雪解けの季節に捧げる「祈り」

降り積もる「重さ」の正体について

冬という季節は、
私たちに沈黙を求めます。

街の色彩は失われ、
人々は厚いコートの中に自らの輪郭を隠し、
足早に家路を急ぐ。

ありくま様の詩の冒頭、
「積もって積もって 重くて重くて」
というフレーズを読んだとき、
私は現代を生きる私たちの、
言葉にならない溜息を聴いたような、
そんな気がしました。

2026年の今、世界はどこか歪で、
危険な速度で回り続けています。
自分自身を守るだけでも精一杯なのに、
社会という大きな重圧までもが、
まるで湿った雪のように、
肩に降り積もっていく。

「頑張らなきゃ」「ちゃんとしなきゃ」
そんなふうに自分を律して、
凍てつく風の中でも
「溶けずに」
立ち続けているあなた。

その立ち姿は美しいけれど、
きっと、その芯の部分は、
もう限界まで、
冷え切っているのではないでしょうか。

かつて私が、夜の閃光の中で見た雪

迷路に迷い込み、
夜の世界で働いていた学生時代。
私の心にも常に雪が降り積もっていました。

軽蔑、アイデンティティへの疑念、
明日の家賃さえも不確かなとき。

私は
「完璧な彫像」のように、
溶けずにいようと必死でした。

弱さを見せれば、
そこから崩れてしまいそうで怖かった。

けれど、そんな私を救ってくれたのは、
偉大な哲学者や、
著名な識者ではありません。

仕事帰りに立ち寄った、
早朝のCafé ouvert très tôtで、
店主が差し出してくれた、
焼きたてのクロワッサンの温もり。

「大変だったね、もう大丈夫だよ」
そう言われたわけではないけれど、
そのパンの熱さが、
私の強張った心を少しずつ、
溶かしてくれたのです。

ありくま様の詩が持つ
「大変だったね もう大丈夫だよ」
という言葉の響きには、
そんな、
生き延びてきた者だけが持つ
慈悲の精神が宿っています。

それは、
相手を甘やかすための言葉ではなく、
極限まで頑張ってきた心への、
最大のリスペクトなのです。

恋愛という名の「温もり」の循環

「溶けずにいてくれて ありがとう」
この一節を読み返すたびに、
私は恋愛の本質について考え込んでしまいます。

恋とは、自分と相手が
「完璧なパズルのピース」
としてはまることではない。

むしろ、互いの凍えた部分を温め合い、
ゆっくりと
「溶け合う」
プロセスなのではないでしょうか。

人は一人では、
いつか凍りついてしまいます。
けれど、誰かがその「重さ」に気づき、
感謝の言葉をかけてくれたとき、
氷は水になり、
また新しい生命を育む準備を始める。

「あなたが伝えてくれたから
僕はずっと あなたの温もりになれる」

この最後の一行は、
単なる一方的な愛情の告白ではありません。

救われた人が、
今度は誰かを救う存在へと変わっていく――。

私たちがこの世界を生き抜くための、
最もシンプルで気高い、
知恵なのだと思うのです。

恋愛に臆病になっているとき、
私たちは
「重荷を背負ったままの自分では愛されない」
と誤解しがちです。

けれど、この詩は教えてくれます。
その「重さ」に耐えてきた、
あなただからこそ、
誰かの温もりを受け取る資格がある。

そしていつか、
誰かの温もりそのものになれるのだと。

春を待つ、悩めるウェルテルたちへ

冬の夜、恋愛に悩み、
自分の至らなさに沈んでいる、
あなたへ。

あなたは十分、頑張っている。
この詩を読み終えたら、
どうか一度、
深い深呼吸をしてみてください。

その吐息が白く見えるのは、
あなたの内側に、
まだ「命の熱」が残っている証拠です。

ありのままの自分を愛することは、
時に世界を救うことよりも難しい。

けれど、ありくま様の言葉に身を委ねて、
「溶ける」ことを自分に許してあげて。

形が変わることを恐れずに、
水になったあなたの心は、
きっと前よりもずっと自由に、
大切な人の元へと流れていくはずだから。

fin d’un début
ある始まりの終わり

Lait Chaud à l’Érable et Cardamome(メープルとカルダモンの温もりミルク)

“こんな夜”におすすめのドリンクを紹介。

雪解けの季節、心を芯から温め、
ゆっくりと眠りにつくための
「安らぎ」のドリンクを。

メープルシロップの優しい甘みは、
頑なになった心を溶かす魔法。

そこにスパイスの女王、
カルダモンを加えることで、
沈んでいた気持ちを、
明日のための活力を変えてみましょう。


Created by 一かけらの今

「スパイスの女王」カルダモン。

北欧の冬には欠かせない香りですが、フランスでも「心の静寂を取り戻す」と愛されています。

メープルの滋味深い甘さと混ざり合い、凍えた独りきりの夜をそっと溶かしてくれるはず。

Recipe

  • 牛乳(または豆乳、オーツミルク):250ml
  • メープルシロップ:大さじ1(グレードはアンバーがおすすめ。コクが深いから)
  • カルダモンパウダー:ひとつまみ(あるいはホールを1粒、鞘を割って)
  • バニラエッセンス:1滴(記憶の奥をくすぐる香り)
  • シナモンパウダー:仕上げに少々

Method

  1. 小鍋にミルクとカルダモンを入れ、弱火でゆっくりと温めます。
  2. 沸騰する直前、小さな泡がプクプクと立ってきたら、火を止めてメープルシロップとバニラエッセンスを加えます。
  3. カップに注ぎ、仕上げにシナモンをひと振り。
  4. カルダモンの爽やかで甘い香りが、あなたの鼻先をかすめたら。それが「もう大丈夫だよ」という合図。

この温かな一杯を、
両手で包み込んで。
詩の世界に浸ってみて。

飲み終える頃には、
あなたの肩に積もっていた雪も、
きっと穏やかな光の中で、
溶け始めているはずです。

Une image n’est rien sans vos mots.


― あなたの言葉のない image は、
あなたの言葉なしには何ものでもない

Une image, sans vos mots,
c’est un plan sans voix.

#恋詩絵 Created by 一かけらの今

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illustration by Velvet Easter Corp.

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まだ愛を信じている、すべての人へ。

○掲載されている作品の著作権はありくま様に帰属します。

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あなたに告白するのは きっと 恋の終わり あなたをあきらめることは きっと 恋の始まり 思い出だけ それでいいの いつかは今が コワくなるから

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