いつまでも好きを教えて
眠れない夜
あなたの頭上で
瞬く星になれたら
きれいと言って
やさしく触れて
そっとキスして
いつまでも大切にして
なんて夢見る
眠れない夜に
褪せた本音
出口のない迷路で
さまよっていたかった
けたたましく鳴る電話の音
知らないふりをして
ぽつり呟いた
あなたの
褪せた本音を
胸に抱いて
ただただ
ひとりきり
さまよっていたかった
恋をした
すれ違ったあなたの
物憂い横顔に
胸がさわぐ
瞬間のモノクローム
雑踏の中
世界にふたりきり
放課後のチャイムは
潮騒のように
遠く鳴り響いた
ビー玉
ビー玉をのぞいたら
空は美しく澄んで
わたしの心にまで
すうと馴染む
あなたへの
ひそかな想いも
やさしく透き通って
ペールブルーに染まる
ポケットに入れて
すぐに行くから
もう少し待ってて
「 」
揺れるブランコ
子どもたちのはしゃぐ声
電車の走行音
「 」
わたしは告げた
背の高いあなたの
足元ばかり見て
悲しみに歪む顔から
目を背けて
言葉を待った
アスファルトは
あまりにも冷たくて
Journey in to Chapter II
第2章へ続く
Chapter II
一つの光景
思い出の中
抜け殻の転がる
冷めたベッドで
あなたの面影を追う
ピンク色の蝶
グリーンの金魚
太陽はモノクロ
叶わないことばかり
思い出の中の
あなたに笑いかける
なにもかも
もう遅いけれど
雪
その肩に落ちる雪に
どうしても目がいくの
静かに積もって
独り占めして
ずるいなとか思ってる
可笑しなわたし
こんなにも触れたい
右手を手袋に隠す
まだダメだよって
無理やりに
空を見た
青い鳥
しあわせの青い鳥
わたしの指に止まって
ないしょ話
誰にも秘密
わたしの想いは
小さな胸にしまって
その代わりにどうか
あの人の願いを叶えて
しあわせをあげて
青い鳥
誰にも秘密
コルチカム
コルチカムの花が咲くとき
あなたは背中を見せました
片時も離さずにいた
あのネックレスを
静かに置いて行きました
わたしの好きな低い声で
わたしの嫌いな言葉を紡いで
無機質な音をたてて
ドアを閉めていきました
コルチカムの花が咲くとき
部屋は息苦しい香りに満ちて
「わたしの最良の日々は過ぎ去った」
あなたが好き
スニーカーが好き
ジャズボーカルが好き
曇り空が好き
静かな時間が好き
テスト中に居眠り
グラウンドを走る姿
いつまでも、どこまでも
見つめていたくて
目を閉じた
窓際でひとり
たたずむだけの
悲しいわたしに
気づかない
あなたが好き
fin d’un début
ある始まりの終わり