Iとわたし、そしてソクラテス
誤作動
プロローグは
いつも突然で
名前を付けるには
もどかしい
この感情
ねぇ
ソクラテス
教えてよ
心臓が
小さな誤作動を起こすの
もう一度
この感情の意味を
教えてよ
手遊び
名の無い曖昧な感情
ノストラダムスの大予言
君の想い人は誰?
昨日より染まる色
ほつれほどける
レースのリボン
むすんで、ひらいて
また明日、会えるね
ノルウェイの森
まとわりつく
メランコリック
沈み溺れる
ノルウェイの森
抱きしめた手紙には
たった二文字の
言の葉
君に届けるには
まだ早い
いつか
その日のために
そっと
詩集の間に挟んで
栞の代わり
これなら見つからない
認知
初めまして恋心
わたしの好きな人は
キラキラ
愛らしい
綺麗な澄んだ色のガーネット
宝箱に
閉じ込めて
肌身離さず
ずっと一緒なの
さようなら恋心
今日くらいは
忘れてね
諦めの悪い
わたしのことを
Iをわたしに
幼すぎるわたし
未熟で脆い小さな星屑を
そっと独りで紡ぐ
泣いて
泣いて
コバルトブルーの海がある
小さな世界に
逃げるように飛び込む
誰にも知られないように
秘めて隠すこの心臓
チクリと痛む
ねぇ誰か
迷える子羊に
幸せになる道筋を教えて…
知っているよ
興味が無いことくらい
わかっているよ
恋や愛をすべて
宝箱の中に語りかけるのも
だけど
他に何もいらない
Iをください
Journey in to Chapter II
第2章へ続く
Chapter II
一つの光景
一瞬
胸を焦がす
一瞬のような恋
どこにもいない君と
深い眠りにつく
夢の中では
愛しい愛しい
真実の恋人
透明で薄花色の
意識を切り離す
どんな風に思うのかな
その唇で
聞かせて欲しい
綺麗な澄んだ色より
淡く切ない色
本当に似合うのは
どっちなの?
夜空逃亡劇
独りで抱える自己嫌悪
また星屑と共に
涙を紡ごう
不安で臆病で
震える手足
重なり滲む思考
このまま
夜空に逃げよう
忘れないうちに
目を閉じて
今日の出来事を想い出す
トリック
「好きだと伝えたらどうする?」
分かりやすいトリック
瞳はどこか遠く迷子
欲したフレーズは
空と同化する
永遠に聞けない
余韻はおいてけぼり
秒針は3周目
残ったのは
絆創膏
精一杯の
ぎこちない笑顔
戸惑い隠せぬ
憂い顔
フラッシュバックする
10周前の秒針
偽物シンデレラ
エピローグは
あっけなく
カーテンコールは
存在しない
囚われのマリオネット
シンデレラに
なれなかった結末
声に出して
言いたい言葉
喉奥で絡み
つっかかる
初めての好きな人が
君でよかったと
いつか
心からきちんと言える日が
来ることを信じて、願って
足の音を一つ奏でる
幕間劇
交差して
混ざり合わない
0の夢物語
必ず流れる
エンドロール
紅茶にバラの花びら
お楽しみは
これから
fin d’un début
ある始まりの終わり