空よりも近いブランコの上
隙間を探して
あなたは今日も
旅に出かける
あなたの世界に
わたしの居場所は
ないみたい
それでもわたしは
隙間を探すの
あなたの心の
隙間を
待っていてね
あなたがそう願うなら
先の見えない
順番を待つの
隙間を探して
時間
一人になりたい
わたしを見つめる
時間
二人が好き
あなたと対話する
時間
一人にしないで
あなたがいない
わたしを
誰も知らない
二人が好き
上手に過ごせる
気がするの
刻む
わたしを刻む
忘れてしまわないように
わたしを刻む
溺れてしまわないように
わたしを刻む
壊れてしまわないように
あなたに刻む
満ちる孤月がないように
わたしを刻む
写真
あなたは
わたしの写真を撮らない
わたしも
あなたの写真を撮らない
写真はいらないの
わたしの心の中に
あなたを写す
あなたの心の中に
わたしが写る
写真はいらないの
わたしとあなた
二人だけの秘密
通話
あなたの声は特別
きっと
誰しも虜にしてしまう
あなたの声は特別
いつか
誰しも虜にしてしまう
あなたの声は特別
わたしだけが
知っている
ただそれだけで
よかったのに
Journey in to Chapter II
第2章へ続く
Chapter II
一つの光景
メイク
あなたは知らない
パウダーをつける
わたしの気持ち
あなたは知らない
グロスを塗る
わたしの気持ち
あなたは知らない
ミストをかける
わたしの気持ち
髪の毛は巻かなかった
そんな気がしていたから
あなたは知らなくていい
深夜/ファミレス
あなたを待っている
わけじゃない
たまたま用事があるの
あなたを待っている
わけじゃない
たまたまこの場所が
よかったの
やることがいっぱい
あなただけの
わたしじゃないの
やることがいっぱい
忙くて
たぶん
そろそろ帰る時間だけど
あなたも忙しいみたい
よそ見
わかってる
あなたの視線の先
わかってる
あなたのアドレス帳
わかってる
わたしは気づかないふり
苦いチョコレートを
かじってみる
本当は甘いチョコレートが
好きだけど
わかってるから
朝
外はこんなにも
寒いのに
わたしの心はただ
冷たくて
コンビニで
アイスを買った
寒くて冷たくて
舌の上で
溶けていく
今
あなたに触れても
わたしの心は
溶けないでしょう
夢の終わり
夢を叶える
あなた
手を取っていた
二人
離れても
そのままでいて
ただそれだけ
あなたは
空を駆ける
あのね
あなたがあまりにも
まぶしいから
わたしは
目を閉じて
公園のブランコの上
夢の終わりを
知ったの
fin d’un début
ある始まりの終わり