恋愛映画はみずいろの結末
存在
永遠に存在しない
私だけの場所
無くしたもの
捨てたもの
やさしいあの子
苦い思い出
ぜんぶ忘れて
あなたと
2人ぼっちで
ふわふわ漂う
ヒラエス
それは
永遠に存在しない
わたしとあなただけの場所
髪
かわいくなりたい
あなたが欲しがる
あの子になりたい
濡れたリップ
流行りのネイル
わたしには似合わなくても
恋になるなら
それでいいの
わたしの輪郭が
溶けていく
誰でもない
たった一人が
欲しいだけ
だからいつまでも
髪を切れないまま
気まぐれ
少女はいつか
大人になる
きらめく光も
雲のように去る
あなたの愛が
気まぐれだって
かまわない
今だけは
こうしていてほしい
永遠なんて
なくてもいいから
ずっと忘れないでいて
さよならなんて
聞きたくない
空っぽの部屋
口先だけの
愛してる
それでもいいから
何度も言って
冷たい指が
わたしに触れて
午後のユウウツを
なぞっていく
空っぽの部屋
バラの香りが
わたしを泣かせる
あなたの気配に
包まれたまま
もう少しだけ
許されていたい
夜明けまでには
涙を拭いて
氷みたいに眠りたい
そしてまた
何もなかったように
思い出してる
あなたのこと
嘘をついた
ひねくれてるのは
わかっているけど
こぼれた言葉は
取り返せない
信じてるよ
ごめんね
嘘をついた
「かわいくないけど
そばにいて」
素直にそう言えたら
愛してくれるのかな
夢中にさせたい
きっとそんなこと
ありっこない
それなのに
愛してるの
Journey in to Chapter II
第2章へ続く
Chapter II
一つの光景
ハッピーエンド
恋愛映画の
ヒロインになって
終わった愛を
銀幕に沈める
貴方のジャケット
まだここにあるのに
そんなことさえ
忘れてるんだね
ヒロインみたいな
女の子と
あなたは微笑む
ヒロインみたいな
女の子には
なれなかった
わたしのせいだね
恋愛映画は
突然終わる
ハッピーエンドの
余韻を残して
夕立
ポニーテール
華奢な腕
ひざ丈スカート
甘い香り
少しだけ
胸が跳ねた
蝉の声
ぬるい風
夕暮れの向日葵
震えるまつげ
夕立のような
憧憬
教えない
好きな人のこと
また蝉が鳴く
少女はそっと
キスをする
目を開けたら
いつも1人
大人になれば
忘れていくって
誰かが言っていたけど
時が経っても
時が経つほど
心に深く
傷を残すものがある
リフレイン
眠れない夜は
嘘でもいいから
そっと目を閉じて
小さい声で
魔法の言葉を
囁いてみる
指の動き
胸の温度が
リフレインする
忘れたふりは
得意なはずなのに
あなたじゃない
誰でもない人と
魔法の言葉を
囁き合う日まで
今はまだ
あなたを想う
find me
暗い森
奥深く
風の音
赤い果実を
食べてしまった
わたしはもう
戻れない
鮮やかな花
木々さえも
わたしを攻める
迷って泣いて
ざわめく世界で
あなたを探す
揺れる地面に
立ち尽くしたまま
凍える手
震える足
声に出せない
「愛してほしい」
そばに来て
わたしを見つけて
インディゴブルー
わたしの目に映る
冷たい景色
後悔が胸を刺す
記憶も約束も
不確かなまま
波にさらわれて
恋心は
月の港を漂う
運命だった
ぜんぶぜんぶ
インディゴブルーに
消えていく
逃げるように
隠れるように
愛されたいの
わたしは
あなたを愛して
この水の底に
沈んでもいいの
fin d’un début
ある始まりの終わり