いつの日もあなたがいる
セルリアンブルー
夢の香りで目覚めた
カーテンの隙間に
逃げていったけど
あと少し
まだ少し
潜っていたくて
空を蹴る
きっと
あれはあなただった
悲しいくらいの
セルリアンブルー
涙も溶けていく
サンキャッチャー
グラスを水で
いっぱいにして
鍵を沈めた
思い出が溢れる
テーブルにしがみつく
水滴が
サンキャッチャーみたいに
光ってた
恋しさも
流れ出せばいいのに
突風
突風はハチドリの合図
恋の終わり
夢の終わり
今日と明日がちぎれても
何もなかったことには
ならないの
壁に落ちる影
わたしだけの影
花火
冬の花火
観客は2人
いつか憧れのボーイングで
空から見たいなって
笑った
音のない夜に
閃光のアガット
煙のにおい
ここは地上だから
見えないねって
また笑って
キスした
あなたがいる
水彩が滲んでく
あなたの好きな色
あなたの好きな本
あなたの好きな歌
たくさん教えてもらったから
どんな風景も
どんな街並みも
どんな夜だって
まだあなたがいる
Journey in to Chapter II
第2章へ続く
Chapter II
一つの光景
ヒカリ
夜の真ん中で
時計の針だけが
呼吸しているみたいだった
上も下もないくらい
真っ暗な部屋で
目が痛いほどの
小さな灯り
まだ消えないでほしい
最小単位の光
明け方
うなずく横顔を
明け方の光が
縁取っていた
いつも持ち歩いていたくて
小さな四角におさめた
照れながら
走り出した背中から
いつも巻いていた
マフラーがたなびく
あの川沿いに
乱反射した光が
今も手のひらにある
心の底に流れている
この気持ちを
あの川に流せないかな
同じような朝に
真っ白な
キャンバススニーカーを履いて
ゆっくりと歩き出す
talk
「いつか空の最果てで
これまでの全部を
繋ぎ合わせて
眺めてみたい」
そう話した時
「宇宙に放り出されて
ゆっくりと落ちていったら
一周回って
またここに戻ってくる」
そう伝えた時
「本当はわたしの心の声は
全部みんなに聞こえてて
みんなそれでも
優しくしてくれてるんだと
信じてみると
自分も優しくなれるよ」
そう教えた時
少しだけほほ笑みながら
真剣に聞いてくれた
それがあなただった
恋が割れる音
あなたに悪いところはない
わたしに悪いところはない
それじゃ前に進めない
最後に一緒に歩いた
寝静まった夜の道
あなたの声は聞こえなくなって
恋が割れる音がした
それは
繋いだ手が離れる音
願い
夢の香りが残っている
窓の外で
小さな女の子の声がした
幸せだけが降り注ぎますように
きっとそう願われている
FMラジオから
途切れ途切れの
ヴェルヴェット・アンダーグラウンド
あの部屋のレコードみたい
ずっと
きっと
少しだけ痛いまま
また歩いていけそうな
カーテンの向こうの朝に
fin d’un début
ある始まりの終わり