お城とモノクローム
君の長所
君の長所
ひらめきに忠実
犬みたいなオーバーアクション
人懐っこい笑顔
悩みなんてなさそう
メランコリックを感じない
子どもっぽい振る舞いができる
君はとても大人
私に笑顔をくれる
君はわたしより
ずっとずっと大人
タイムカプセル
閉じ込めたいほど愛しい記憶
わたしたちのユニフォーム
駅前の夕暮れ
顔を見合わす
お腹を押さえて笑った
たわいもないおねだり
わたしより怒ってくれた
あの子のやさしさ
君のとなり
形のないプレゼント
いつまでも守りたい記憶
わたしたちは無敵だった
キャンパス
校舎の隙間を飛び越える
いたずら書き
いくつになっても
君の描く絵は
堂々たる自由
まっすぐ上へ進む
飛行機雲
大きく上へ咲く
ハクモクレン
決めつけないイマジネーション
わたしまで
成長させてくれた
再生の白
You&Me
君は犬みたいに明るい
月並みでもわたし
猫に憧れる陰
ほのかな本音
陰と陽
バランスを取る
本心からこぼれる言葉は
いつも気恥ずかしい
確かな理由
目を細めた笑顔
何度もわたしに向けてくれた
わたしは肝心なとき
もやで目が曇る
君の心が見えないの
根拠の鍵をだして
モダンなやさしさより
シンプルな言葉
ただ確信がほしい
次の扉を開けたい
Journey in to Chapter II
第2章へ続く
Chapter II
一つの光景
偶然の夕立ち
心にもやもや広がる
午後の夕立雲
短時間でザッーと過ぎ去る雨
じっと眺めてみよう
浮かびあがる
ペトリコールの匂い
クールダウンした道路
視点を変えたら
恵みの雨
西の空は赤く染まる
日傘
待ち合わせはスクランブル交差点
汗ばむ陽気のせい
通りの信号
変わるタイミング
前髪をなおす
がらにもない数分間
カラフルなパラソル
鋭い日差し
片陰へ入ったら見落としそう
こんなに恋しいのは
夏のせいかな
君の無意識
打ち明け話は
横並び
からかうあだ名で呼ぶ場面
なにか寂しかったとき
会話を探している背中
そわそわ揺れている
意外にかわいいものが好きだし
クセをひとつ知るごとに
まったく
憎めない人
フィルム写真
過去のモーメント
競走せず
じゃれるように過ごせたのは
君の強さ
伝わってきたから
流れるような運命だろう
ロミオとジュリエットのような
ドラマは期待しないで
はじめから
わたしたちらしい
色褪せなさ
layer
暑気から逃げるように
ブラウン壁画の喫茶店
アイスコーヒーの滴がつたう
さくさく甘いクリームケーキ
2人で砂のお城を崩した日
暑い日に暑いね
たわいもないやりとりは続く
ふわっと
怖いものなんてない気分
ふわっと一瞬
層をなして
しあわせへのルート
ハミングがメロディーへ
変化するように
fin d’un début
ある始まりの終わり