本当を信じたい
白を濁す
透き通る空が反射して
嘘をつけない
あなたの瞳
わたしだけを映してほしいと
願ってしまうのは
きっとわがままなんだ
胸にあふれる
あなたの言葉
まっすぐに届く
わたしだけを呼んでほしいと
願ってしまうのは
きっと身勝手なんだ
それでも
今日もわたしは
あなたを感じる
まばゆい白を濁すように
時計の針
まるで太陽に
抱きしめられているみたい
ふわりと香る優しさから
離れられない
向日葵はわたし
かすかに灯った
小さな熱は
あなたに会うたび
燃え盛る
時計の針を
ねじ切ったように
止まることを知らない心
いつかわたしに気づいたら
その時はどうか
わたしだけの太陽になって
小さなあなた
ぽとりと落ちる
一筋の雫は
宝石のように輝く
小さなあなた
誰にも言えず
ひたすらに
風をかきわけ
手を伸ばす
わたしはせめて
幸あれと
小さなあなたを
指に乗せる
光を集めて煌めく雫
わたしの中へと染み込んで
そっと静かに
瞳を閉じた
約束
美しい仮面をかぶり
偽りの笑顔を見せて
そして手に入れた
薬指の約束は
本当の愛を
知らないまま
わたしには
吹きすさぶ風が
まとわりつくだけ
いつか2人の本当が
重なり合うのを
わたしはずっと信じてる
永遠の約束を
わたしはずっと信じてる
透明
あなたの声が届くたび
わたしの声も届けたくなる
だけどわたしは透明
目にも耳にも指にも触れない
この身に宿したあたたかい熱さえ
色を与える勇気をくれない
髪を揺らす風だけが
そっとわたしをなぐさめた
あなたの香りを背に
ただ目を閉じる昼下がり
Journey in to Chapter II
第2章へ続く
Chapter II
一つの光景
本当を信じたい
あなたの声が聞こえたら
この胸を揺らす雨雲は
わたしの涙を知るのだろうか
「好きだよ」
あなたの声が
響き渡って
消えていく
いくら泣いても
静かな雨がわたしを包む
「きっと晴れる」
わたしの頬に触れて
あなたの唇で
聞かせてほしい
本当を信じたい
神様のせい
わたしの心には
2本の花が咲いている
どちらもとても美しく
どちらもとても優しくて
手に取る花は1本だけと
響く鐘が鳴り止まず
それでも2本を選ぶのは
神様のせいとつぶやくの
宝箱
はじめて会った日のこと
小指を絡めて
誓いあった日のこと
唇を重ねて
優しさに包まれた日のこと
すべてがとても大事すぎて
わたしの中の宝箱には
入りきらない
こぼれ落ちる思い出たちを
必死に拾い上げようとするけれど
どうにもその手は小さくて
それでもあなたはまたくれるの
あふれるばかりの宝物
わたしもあなたに
あげることができてるのかな
空の青さ
水鏡に映るのはだれ
唇にのせた薔薇色も
まぶたを彩る桜色も
はりつけた笑顔を作る偽りの色
水鏡に映るのはなに
彼の指に入るための虚飾
彼の心に入るための欺瞞
見透かすようにただ返す天水
そんなものはないのだと
つま先でそっと水面を乱す
残ったのは
空の青さと虚しさだけ
朝に消える
星が
眠り始めるころ
わたしは
おぼろげな夢を見る
もうすぐ迫る
暁紅は
鋭い光で
まぶたを叩くだろう
だけどもう少しだけ
待っていて
今はまだ
あの人との思い出が
残っているから
たとえそれが
朝には消える
運命だとしても
fin d’un début
ある始まりの終わり