吉岡幸一さまの恋愛詩集♡失恋や恋人へのやさしさが胸に響く詩集です!
吉岡幸一さまの恋愛詩には失恋や悲しみの中にもやさしさがあります♡ぜひみなさまも吉岡幸一さまの恋愛詩集を読んで切ない気持ちややさしい気持ちに浸ってみてくださいね♡
桜が散れば
桜が散れば思い出す
君が出ていった朝を
かなしみよりも
驚きのほうが大きかった
郵便ポストに入っていた手紙
溢れるほどの愛が綴られていた
それなのに何故出ていったの
つぎに桜が散るとき僕も出ていくよ
郵便ポストに返事を入れて
抱えきれない愛を残して
告白
未来を語り合うとき
ささいな違いが気にかかり
おおきな同じが薄れていく
おなじ道を進んでいきたい
かなしみも喜びも
ともに感じて生きていきたい
そんな想いを互いに持って
前を向いているけれど
ときどき不安になってしまう
だから
まいにち告白をするよ
まいにち君と
新しい恋をはじめるために
紫陽花のように変わった
雨の季節になって
出かけた滝のまわりに
たくさんの紫陽花が咲いていた
急に降り出してきた雨に
傘を持っていなかった僕ら
楢の木の下に入って雨宿り
ぽつぽつと頬に落ちる雨
雨粒を拭うふりをして
君の頬にキスをした
紫陽花の色は濡れて変わった
君の頬も僕の頬も
紫陽花のように変わった
夜
夜の公園を
ひとり歩いていると
遠くに暮らす君を思い出す
家を出て行ったのは
夢を追いかけたからと
言った言葉に嘘はないはず
僕は君の夢になれなかった
空に浮かぶ三日月は
雲を明るく輝かせている
いつか夢を叶えたなら
君は戻ってくるだろうか
僕は待っている
夜はまだ始まったばかり
踏切
夕暮れの踏切を
満員電車が過ぎていく
遮断機が上がれば
渡って良いはずなのに
足は踏切の前で
止まって動かない
嫌いで別れたわけではない
仕方がなかった
何度振り返っても
君は追いかけてこない
僕は戻っていかない
三度目の電車が
目の前を通り過ぎていく
電車の車窓に君の姿
泣いている
Journey in to Chapter II
第2章へ続く
Chapter II
一つの光景
覚悟
やさしさに
傷つけられ
想いに
答えられなくて
苦しくなりました
私も優しくなれたら
想いを伝えられたら
苦しくならなかった
別れたくありません
逃げたくもない
ほんの少しだけ
愛する覚悟を持てたなら
ほんの少しだけ
愛される勇気があったなら
変わりたい
変わります
あなたの側で
やまない雨
雨があまりに
降りやまないので
君に傘を買った
君があまりに
泣きやまないので
ハンカチを渡した
僕はずぶぬれのまま
夜の街を走った
そして軒下で雨宿りした
どうか雨がやみますように
目の前をバスが
傘をさした人が
通り過ぎていく
月も星もない夜
どうか雨がやみますように
お弁当
公園でひろげたお弁当
朝早く起きて作ってくれた
小さなお握りと卵焼き
タコさんウインナーとミートボール
近くではボール投げをしている
親子がいたね
風が春の香りを運んで
遠くの川で魚が跳ねていた
「おしいしいよ」
「おいしいね」
暖かな日差しが揺れて
君の瞳がキラキラしていたよ
夢
君の夢を見た
どんな夢だったかな
大声で笑ったような気がする
どうして今頃見たんだろう
別れて三年も経つのに
結婚したんだってね
友だちから聞いたよ
パリで暮らすんだってね
まだピアノは弾いているのかな
君の夢を観た
別れて三年も経つのに
想い出の君はいつも笑っている
八月
八月になると思い出す
焼けつく暑さよりも熱く
燃えるような日々を
君のいなくなった夏は
思い出にしがみつき
夕立の時間にばかり出かけている
蝉の鳴き声がうるさくて
耳を寄せてきた君を
懐かしんでは耳を塞いでいる
八月になると思い出す
君のいなくなった夏は
とても暑かったことを
fin d’un début
ある始まりの終わり
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