恋よりもミルク色
インスタント
深夜の駅前
ギブソンで奏でるlove
鏡越し
毛先をもてあそびながら告げる
i miss you
恋する乙女は今日も忙しい
移り気だ
投げやりにひとまとめにしないで
愛なき世界に
愛を満たすボランティア
世界はいびつで
今日も美しい
イミテーションでも
ホンモノのクリスタル
答え合わせ
ほんの一時のコト
そうわかってる
「麻疹のようなもの」
誰かの言葉もうなづける
太宰やドフトエスキー
式部の名作を紐解いても
実践には適わない
どっぷり浸からなければ
わからないことだらけ
わかってるけど
正解を知りたくて
ページをめくった
定期診断
カルテの神経質な羅列を眺め
訳知り顔の
メガネ紳士が言う
「君は依存し過ぎだね」
わかりきった答えに
価値はない
引力の法則には
従うしかないのだ
処方箋は
ポケットに捻じ込んで
踏み出した一歩は
日射しに溶けた
君はダンサー
あの日
スポットライトを浴びる
君を知った
気難しがり屋のマエストロも
いつの間にか君のテンポ
渋滞してる荒波も
何食わぬ顔ですり抜ける
自由で
奔放で
気ままで
法則は順守
愛を振りまいて
悲しみの鎖に縛られる
最後まで踊る君は
愛に満ちた孤独なダンサー
君からもう目が離せない
勇敢なダイバー
キラキラ反射する
マリンブルー
神秘の輝きに魅せられても
進めば先は暗闇の世界
勇敢にも飛び込むのは
「たった1つ」があると信じて
胸を押す苦しさに
挫けそうになっても
先へ先へと進めるのは
暗闇の奥底に
君の幻を見るから
苦しさと
諦め時は命の天秤
それでも先へと願うのは
君がいるから
Journey in to Chapter II
第2章へ続く
Chapter II
一つの光景
君と恋と友情と
はじけたのは
虹色のバルーン
995日かけて築いた
友情と淡い期待
投げた蒼のボールは
勢いよく跳ねて戻らない
君の優しさが鋭くえぐった
誰かの心は戻らない
恋よりもミルク色
赤く腫らした
まぶたが痛くて
鈍い思考が
微熱を誘い水
堂々巡りに結論はない
裂けそうで
壊れそうで
悲鳴を上げるのに
身を預けてしまえば
どこか甘美
突然のサヨナラ
恋よりもミルク色
君がいない日の過ごし方
あたたかい日差しに
瞳を閉じる
開けっ放しのカーテンが
邪魔するけど
こればかりは止められない
毛足の長い毛布に潜り込み
心地よい暗闇と
やわらかさに包まれれば
もう一度
魅惑の世界へ
妄想と眠りと記憶が
混在する世界へ
境目のないあいまいな誘惑
ただひたすらに君に酔う
至福のweekend
ありし日の風景
記憶の片隅の
小さな欠片が
前触れもなくよぎって
心を締め付けた
流れるカルテットは
喜びのスコア
それともノクターン
やがて色を帯びた虚像は
リアルを超えて
小さな胸の内をかき乱す
ラフマニノフの旋律を
チェンバロがせつなく打ち鳴らし
君のまぶたが震えた
透明でパール
可笑しいよね
君にあこがれるなんて
間違いなく
あからさまに不満顔
仕方ないよね
君は透明でパール
変えようもなくて
無性に欲しくなる
ダメだよね
この手に留めるのは
透明でパールでなくなると
決まってる
可笑しいよね
ダメなものほど欲しくなる
生まれ変わったら
君になると決めたんだ
fin d’un début
ある始まりの終わり