恋よりもミルク色
![恋よりもミルク色](https://hitokakeranoima.com/wp-content/uploads/2021/03/800-5501816773_1500.jpg)
インスタント
![](https://hitokakeranoima.com/wp-content/uploads/2021/03/1878474_1500-1024x683.jpg)
深夜の駅前
ギブソンで奏でるlove
鏡越し
毛先をもてあそびながら告げる
i miss you
恋する乙女は今日も忙しい
移り気だ
投げやりにひとまとめにしないで
愛なき世界に
愛を満たすボランティア
世界はいびつで
今日も美しい
イミテーションでも
ホンモノのクリスタル
答え合わせ
![](https://hitokakeranoima.com/wp-content/uploads/2021/03/2892967_1500-1024x683.jpg)
ほんの一時のコト
そうわかってる
「麻疹のようなもの」
誰かの言葉もうなづける
太宰やドフトエスキー
式部の名作を紐解いても
実践には適わない
どっぷり浸からなければ
わからないことだらけ
わかってるけど
正解を知りたくて
ページをめくった
定期診断
![](https://hitokakeranoima.com/wp-content/uploads/2021/03/kirill-ermakov-C119Z_x-P64-unsplash.jpg)
カルテの神経質な羅列を眺め
訳知り顔の
メガネ紳士が言う
「君は依存し過ぎだね」
わかりきった答えに
価値はない
引力の法則には
従うしかないのだ
処方箋は
ポケットに捻じ込んで
踏み出した一歩は
日射しに溶けた
君はダンサー
![](https://hitokakeranoima.com/wp-content/uploads/2021/03/wyron-a-n2PMAQxi-GM-unsplash.jpg)
あの日
スポットライトを浴びる
君を知った
気難しがり屋のマエストロも
いつの間にか君のテンポ
渋滞してる荒波も
何食わぬ顔ですり抜ける
自由で
奔放で
気ままで
法則は順守
愛を振りまいて
悲しみの鎖に縛られる
最後まで踊る君は
愛に満ちた孤独なダンサー
君からもう目が離せない
勇敢なダイバー
![](https://hitokakeranoima.com/wp-content/uploads/2021/03/jakob-owens-n5wwck8ES4w-unsplash.jpg)
キラキラ反射する
マリンブルー
神秘の輝きに魅せられても
進めば先は暗闇の世界
勇敢にも飛び込むのは
「たった1つ」があると信じて
胸を押す苦しさに
挫けそうになっても
先へ先へと進めるのは
暗闇の奥底に
君の幻を見るから
苦しさと
諦め時は命の天秤
それでも先へと願うのは
君がいるから
Journey in to Chapter II
第2章へ続く
Chapter II
一つの光景
君と恋と友情と
![](https://hitokakeranoima.com/wp-content/uploads/2021/03/981234_1500-1024x682.jpg)
はじけたのは
虹色のバルーン
995日かけて築いた
友情と淡い期待
投げた蒼のボールは
勢いよく跳ねて戻らない
君の優しさが鋭くえぐった
誰かの心は戻らない
恋よりもミルク色
![](https://hitokakeranoima.com/wp-content/uploads/2021/03/1816773_1500-1024x634.jpg)
赤く腫らした
まぶたが痛くて
鈍い思考が
微熱を誘い水
堂々巡りに結論はない
裂けそうで
壊れそうで
悲鳴を上げるのに
身を預けてしまえば
どこか甘美
突然のサヨナラ
恋よりもミルク色
君がいない日の過ごし方
![](https://hitokakeranoima.com/wp-content/uploads/2021/03/jason-briscoe-Eu4_4e8_ltE-unsplash.jpg)
あたたかい日差しに
瞳を閉じる
開けっ放しのカーテンが
邪魔するけど
こればかりは止められない
毛足の長い毛布に潜り込み
心地よい暗闇と
やわらかさに包まれれば
もう一度
魅惑の世界へ
妄想と眠りと記憶が
混在する世界へ
境目のないあいまいな誘惑
ただひたすらに君に酔う
至福のweekend
ありし日の風景
![](https://hitokakeranoima.com/wp-content/uploads/2021/03/cagin-kargi-JejvZUV1mBE-unsplash.jpg)
記憶の片隅の
小さな欠片が
前触れもなくよぎって
心を締め付けた
流れるカルテットは
喜びのスコア
それともノクターン
やがて色を帯びた虚像は
リアルを超えて
小さな胸の内をかき乱す
ラフマニノフの旋律を
チェンバロがせつなく打ち鳴らし
君のまぶたが震えた
透明でパール
![](https://hitokakeranoima.com/wp-content/uploads/2021/03/2123616_800.jpg)
可笑しいよね
君にあこがれるなんて
間違いなく
あからさまに不満顔
仕方ないよね
君は透明でパール
変えようもなくて
無性に欲しくなる
ダメだよね
この手に留めるのは
透明でパールでなくなると
決まってる
可笑しいよね
ダメなものほど欲しくなる
生まれ変わったら
君になると決めたんだ
fin d’un début
ある始まりの終わり