恋の終始について想う
恋の終始
わたしたちは
恋のはじまりに
あこがれて
恋のおわりに
成長していた
いくつの恋も
必然だったと
想いあえたらいい
キレイごとだろうか
そう考えるのは
なんどでも恋に
後悔するだろうから
白い部屋
あなたは本の文字を
真剣な目で追っている
わたしは窓の外
雲をぼんやりと眺めた
白い部屋の中で
なにかを発見しては
ひとりごと
伝言だけ残しておいた
無関心に見える
自由なふたり
わたしたちには必要な
距離が存在していた
ミツバチ
どこからか
花にぴたりと
ミツバチがとまる
わずかな一瞬に
美しさを覚えて
意識しなくても
捉えるハート
ときどき好きを
教えにやってくる
天使のように
舞い降りる動きは
ふと目の前に訪れる
カラフル
キャラじゃないとか
似合わないとか
思っていたの
昨日まで
洋服のカラーアイテム
らしくないよ
そう言われたとしても
今のわたしが
選択するのなら
どんなことも
らしい気がした
視野がカラフルになると
気分も高揚していった
サンクチュアリ
優柔不断におもえた態度
そこまで考えていたと
具現化するまで
兄弟のように
ふざけあって笑いあった
親友のように
偽りのないアドバイス
交わしあい
ふたりは安全な場所で
過ごしている
恋人同士になる前から
Journey in to Chapter II
第2章へ続く
Chapter II
一つの光景
ハート
たとえば過去に
あなたについた傷
だれかが
小さなことだと言い
すれ違って去っていく
その時
あなたの感じた気持ちは
なにより本物だと
だれかの声より
大きくかけたい
寄り添いたいと内側から
真意
さみしくてスマイルした
かなしみの膿はふくらんだ
痛みをじっと
のぞいてみると
ぽっと火がついて
消えた
発見したのは
ギフトと一緒に
起きたことだけ
たしかに残っていた
隠しても隠しても
消えなかった真意のよう
サイクル
夏の暮れに
遠くの道で
風鈴の音が小さくなった
夜は長くなる
虫の音は
秘密を囁きだしていた
意識しないタイミングで
成熟した実は
到来するだろうから
回り合わせを
心に秘めたまま
流れる暮らしを送る
波
夕日がフェンス越し
突き抜けて輝く
フェンスの網目
指先を大きくひらいて
バラバラとなぞる
音を立てながら
ピアノを弾くように
腕を動かした
なにかエネルギーを
持て余すように
先見の予感
見つけながら走りだす
大きな波を描きながら
恋について
あたりまえに
忘れてしまう
わたしたちは
この美しく怖い世界で
恋している最中
すべての終始は
どうしようもなく現実
色褪せない空の下
なんどでも
なんどでも
目が開くような
恋に落ちていく
fin d’un début
ある始まりの終わり