いつかあなたが笑いながらアパートのドアを開けてくれる気がして
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あと5cm髪が伸びたら
あと5kg体重が減ったら
あなたに「いいね」しよう
あなたにLINEしよう
毎日5km歩いたら
毎日5時間勉強したら
あなたに褒めてもらおう
あなたをびっくりさせよう
あと5日たったら
あと5カ月たったら
あなたに告白しよう
あなたと手をつないで歩こう
そして転校していったあなたは
5年たっても好きな人になった
もしもう一度会えたら
私の好きな言葉はすべて
あなたが話した言葉のすべて
私の好きな景色はすべて
あなたがいたすべての景色
私の好きなドリンクはすべて
あなたの好きなドリンクのすべて
私の好きな香りはすべて
あなたの髪のすべての匂い
もう一度
微笑んでほしい
もう一度
会える日が来たら
冷めたカレー
君がいた街
歩いてみるの
君のアパートまで
2人歩いた歩道橋
環七通りにまたたく光
おいしそうなカレーの香り
君が喜んでくれるから
毎日作りたかったけど
きっとあきられちゃうから
私があきられちゃうから
何もできなくなってしまった
嫌われたくなくて終わってしまった
テーブルには
冷めたカレー
悲しいけど笑うの
君の好きなもの
全部好きになりたいから
幸せな世界に生きている
君の彼女の笑い声を
スマホに録音して
何度も何度も聞くの
これが君の好きなものなんだって
目をつむって耐えるの
君の好きなもの
全部好きになりたいから
君の好きな彼女のことも
好きになってみたいの
悲しいけどうれしくて
悲しいけど笑うの
君に閉じ込められた絵画
駆け出す明日に
ずっとさよなら
悲しみの昨日に
どうぞよろしく
目を閉じても
耳を塞いでも
追いかけてくる
太陽と月
追いかけっこ
影を踏んだのは誰
私はずっとここで
君に閉じ込められた絵画
Journey in to Chapter II
第2章へ続く
Chapter II
一つの光景
シンプルな午後
大好きな君に
嫌われるような私でありたい
嫌われて嫌われて
もう会いたくもない
そんなふうに思われたい
そうしたら
明日はもっとシンプルに
たくさんのことが滞りなく
前に進んでく気がした
大好きな君と
他人のような私は自由
悲しくて悲しくて
泣いちゃいそうな午後
エキストラ
あなたは言った
「本当に好きな人とは、
恋をしないようにしてるんだ」
及第点かもしれない
告白を断る口実としては
美しい人が登場する
映画のような冷たさで
誰も傷付けない
もちろん私も傷付けない
私はあなたにとって
その他大勢だったんだね
無知のヴェール
「あなたのことが好き」
あなたのまなざしは
真っ暗な海みたい
「あなたのことが好き」
わたしはあなたを
苦しめるだけ?
「あなたのことが好き」
かけがえのない恋が
紙くずになった
寄る辺のない恋 / 蛍の光
川岸で踊ろうよ
指先を絡め合い
悪いことすべて
消え去っていく
寄る辺のない恋には
あなたの存在が必要
一緒にいてくれたら
それだけでうれしい
たくさんの想いが
輝いていた蛍の光
好きになってごめんね
もうこれからは夢の人
いつかあなたが笑いながらアパートのドアを開けてくれる気がして
あなたが住んだアパートに
来週行ってみませんか
いつもの路地を通り過ぎ
夕暮れの中を二人きり
この街の匂いと
あなたの肩の匂いと
わたしはただそれだけで
明日への勇気が持てました
二人が離れた今になっても
わたしは希望を捨てられません
いつかあなたが笑いながら
アパートのドアを開けてくれる気がして
fin d’un début
ある始まりの終わり