ブランケットの下で会おうよ
ベティ・ブルー
雨降りの休日
背伸びしたキネマは
目を覆った指の間から
少しだけ
外に出ると
瑠璃色になった空に
ビルの明かりが
きらきらと映えていた
このままでいたいのか
今は分からない
立ち上がったバンビ
林檎をかじった白雪姫
眠り続けると思ってるのは
何も知らない
小人さんだけ
王子様がいなくたって
ほら
キスのかわりに
クリスタルの涙
頬に光っているのは
悲しいからじゃない
後悔
ちょっとだけ
ずれてしまったハーモニー
誰のせいでもないのに
責めるなんてどうして
あのときを後悔しても
くすんだ翡翠はそのまま
My dear
どうか輝かせて
お茶会
カモミールティーに
ペディキュア
手を取り合いながら
星々の宿命を占う
ミッドナイトの楽しいお茶会
ベルベットのクッションで
笑顔のまま
おやすみすれば
明日はきっと
もっと素敵なわたし
新しい試み
たぶんあなたが
驚くほどに
挑戦するの
変化するの
メレンゲをたて
魔法の粉をまぶす
向日葵みたいな
美味しい黄色は
バターの香りを纏ってた
賞賛の嵐に歓喜して
わたしはハットを外して
ご挨拶
Journey in to Chapter II
第2章へ続く
Chapter II
一つの光景
秘密
喜びは
くちなしの花のように
ひっそりと
でも確実に
甘い香りを放つ
思いもよらない幸運
わたしだけの秘密
バスルームで
特別なバスミルク
少しだけ
生まれ変わったこと
あなたは
気づいてくれるかな
SunnyDay
ちょっと汗ばむ午後
あなたとわたし
いっしょの場所に
背をむける
一生懸命なあなたが好き
わたしのことを
見てくれなくても
今にも泣き出しそうなのは
あの空だけだって
言いたかった
あなたはそばにいた
遠い空に駆けて
わたしは
行き先を見失ってしまう
あなたはそばにいた
手のひらにかすかに残った
あたたかな
エメラルドグリーンも
やがてなくなってしまった
かつて
あなたはそばにいた
わたしを包む
春の図書館には
やわらかな日射しがお似合い
コレットの物語に魅入られ
花びらが舞い散るのも
目に入っていなかった
ふと顔を上げると
そこには
フィルみたいな男の子
わたしのこころは
あっという間に
ローゼに包まれた
ブランケットの下で会おうよ
ふわふわの
ブランケット
あなたの存在
あまりにも
当たり前で
でも
当たり前じゃなかった
優しい視線に包まれて
臆病なわたしも
心を決めた
あたたかな
はちみつ色に
飛び込んでいこう
ブランケットの下で
会おうよ
そして二人
歩いていけたら
fin d’un début
ある始まりの終わり