この恋はグレーの決断
水色の恋
水色の恋を
しよう
淡くて
透明で
真面目で
やさしい
たまに雨が降ったって
上がったあとには
爽やかな
風を吹かせよう
君とは
水色の恋を
しよう
ズルさについて
ズルさの種類は
人によって違うの
あの子のズルさは
大きな瞳
dejavuのアイブロウ
涙目になったとき
なんかは
相当にね
何をしたって
許されちゃう
彼のズルさは
嘘がつけないところ
何も聞いていないのに
弁解をはじめちゃうんだ
まるで告白のような弁解は
みんなを誤解
させちゃうんだよ
つまらない
きっと私は
つまらない子
なのだろう
リードを放しても
逃げない犬のように
手を放しても
飛んでいかない
風船のように
決して遠くへ行かない
私は
きっと
つまらないのだろう
さよならは今日
あと何回
この着信を
無視できるだろう
何回無視できたら
乗り越えられるだろう
今日でよかった
外が雨でよかった
テストが来週でよかった
家族がテレビで
笑っていてよかった
妹にあのワンピースを
貸しててよかった
本当に
今日でよかった
ダメージ
心は張り裂けそうだった
ほんとに
張り裂けるんじゃないかと
思って
一生懸命に
泣いたんだ
その瞬間がすぎたら
少し楽になることは
分かっていたけれど
思った以上の
ダメージ
きっとあの時
ほんとに心は
張り裂けてしまったんだ
オレンジ色の朝日が
壁紙を照らす季節に
なったけれど
心の穴は
ずっとそのまま
Journey in to Chapter II
第2章へ続く
Chapter II
一つの光景
バリケード
軽率に
人を好きになり
軽率に
付き合って
軽率に
別れた
あの人は傷つき
私も傷ついた
こんな恋しかできないのは
私が
臆病者だから
どんな
素敵な人だって
私の臆病さには
敵わない
キンモクセイ
キンモクセイの
香りの下で
今日はあなたに
会いましょう
夕べの雨で香り立つ
キンモクセイの
木の下で
手にはいつもの
アップルサイダー
秋の光の黄金色
季節外れの南風
今日は
吹いてくれるから
LO-Fi
有頂天だった
壊れたおもちゃ
みたいな私
なにが私の目に
フィルターをかけたのだろう
たくさんの笑顔に
囲まれて楽しかった?
お揃いのコロンが
誇らしかった?
私の方が似合ってるって
言われたから?
日が昇る直前の夜空
闇がめくれて
街がピンク色の陽を浴びる
フィルターがノーマルに
変わった瞬間は
情けなさで
いっぱいだった
偶然
あの人は偶然を
連れてやってきた
その偶然は
ジャンプ台になり
私を空へと舞い上げた
空から見る景色は
すべてが
ビビッドカラーで
落ち葉さえ
躍動感にあふれていた
あの人にも
そう見えただろうか
間違った
偶然だったのに
グレーの決断
言葉で
伝わる気がしないから
まずはネイルを
グレーに替えよう
薄いマーブルなんかに
しない
スタッズを入れて
かっこよくするんだ
まだ心の準備ができないなら
髪を切ろう
誰か気が付かないくらい
思いっきり短くするのも
いいかもね
驚くね
きっと
そんなこと考えているだけで
胸が苦しくなるのに
言葉で伝える
勇気がないから
fin d’un début
ある始まりの終わり