終わらないエピローグ
視線
ラムネ菓子
甘ったるい
バニラの香り
めまいがするような
青白い味
空に消えた
初めまして
ぽつりとつぶやく
あなたの顔
ピエロの様に
冷たく微笑んでいた
逃避行
声から溢れる
偽りの感情
脆く儚いから
優しく触れて
逸らさず見つめる
視線
現実から
意識を切り離して
思考回路を
からっぽにして
誰もいない世界に
二人で一緒に逃げようよ
大丈夫
どうせこれが最初で
最後
だから
迷子になって
あなたに食べられないように
手を繋いで
記録
誰にも内緒だよ
溜息と共に
キスをする
伝う体温
重なる鼓動
忘れないうちに
感光フィルムに焼き付ける
何も見えず
わからないけど
いつか
ただひとり
コバルトブルーの海に沈み
泡沫のマリンスノーと共に
消えるため
麻酔
あなたと
久しぶりに会った
昔と変わらず
ただ優しいまま
誰にでも見せる
無機質な微笑み
口に含んだ
ほろ苦いキャラメル
広がる期待と愛情
弱々しい鼓動を止めてしまう
たぶん、これは
恋なのだろうか
いいえ、きっと
麻酔
セレナーデ
狭くて小さな
ワンルーム
溶けるような夜を越える
壊れかけの
幼すぎる二人
それを見守る
窓下のセレナーデ
色褪せる事を
知らない楽譜には
この曲の続きは
書かれていない
眠れないわたしは
その続きを考えながら
夢を見る
Journey in to Chapter II
第2章へ続く
Chapter II
一つの光景
星
世界で一番
好きになってはいけない人
問われれば
真っ先に思い出す
あなたのこと
誰よりも
あなたと一緒に
過ごしているのに
優しさを求めると
返ってくるのは
小さな星の一かけら
ねぇ
臆病者のわたしの為に
淡いパステルピンクの
小さな星の一かけらを
プレゼントして
あなたの為なら
どんな叡智の結晶も
かわいいって言わせるから
はちみつ
たった4文字の
言葉を伝えるだけなのに
喉奥で恋焦がれる
はちみつが
わたしの感情を
絡めて
惑わして
ひび割れた空瓶に
閉じ込める
いつもより多い瞬きは
全部を見透かして
空瓶はいとも簡単に
星屑になり
はちみつは
恋心になって
あなたの喉を通っていく
伝わった?
いつわりと本音
気まぐれと焦燥
交差して苦しい心
処方箋は
苦いチョコレート
いつわりと本音の
ストロベリー
たとえこれが
勘違いだとしたら
よくなる方法は
何の味もしない
あなたからのキス
それしかないの
あなたの色彩
つぶやきは
砂糖になり
紅茶に包まれ
わたしの中に
少しずつ滲む
深く深く
心に滲む
カモミールの花
教えてほしい
あなたの色彩を
エピローグ
友達以上恋人未満
曖昧な関係
やさしい約束
行き場を無くした
さよなら
もう一度
手を繋いで
溶けるような
夜を越えたい
きっと大丈夫
幼い二人でも
もう
始まりじゃないから
誰も知らない
わたしたちだけの
エピローグ
fin d’un début
ある始まりの終わり