恋にひととき狂わされて
ドロップアウト
何度も何度も繰り返すのは
病気なんかじゃない
気を引きたいのでもない
たまに下手なエキストラに
なり下がるのも
意地の悪さを露呈するのも
反省の色を見せないのも
うまくできない
わたしへの罰なんだ
きっと
彼女としての余裕とは
爪をまあるく整えて
フレグランスはマルセイユのソープ
あくまでもナチュラルに
てっぺんからつま先まで
いつでも臨戦態勢に
すべてはその日のため
あなたをゆさぶるため
決して
見えない「あの子」に
対抗するためじゃない
恋は盲目
「変わったね」
付き合いのいい友の声
じわじわと響くソレに
そわそわが止まない
あなたさえいればいい
あなただけに囚われて
冷たいしずくが背中に落ちて
嫌な考えを押し付けるけど
抜け出すにはもう遅いんじゃないかな
恋愛講座・初級編
早く別れればいいのに
その通り
よくわかってる
おなじこと思ってたし
時間のむだ
間違いない
振り回される価値なんて
少しもない
陰口になってない陰口は
悪意によるとは限らないらしい
ちょっぴりスパイシーだけど
意外と悪くなくて
だから教えてあげる
所在のあいまいな
愛とか恋とかいうものは
暴走するクセがあることを
狭ければ狭いほど深く深く
はじめての「恋」に戸惑ったとき
目ざといママは 教えてくれた
たくさんの「恋」を知るといい
あなたの世界を広げてくれるから
ママでも
知らないことにははじまらない
間違えることはあるよね
耳を塞いで
深く深く潜ったら
遠くの耳慣れた声は
きっと気のせい
深く深く潜った先は
とっても狭くて息苦しいのに
離れたいとは思えなくて
Journey in to Chapter II
第2章へ続く
Chapter II
一つの光景
5分後の世界
どうせ私からは言い出せない
癪にさわるけどその通り
だから思い知らせてあげる
その気になれば
サロメのように
すべてを奪い去ってもいい
泣き言なんて
聞いてあげないんだから
強気な言葉は
でも絶対に口にしない
5分後には
どうせ小さくしぼむのだから
トレードは無効
コレクションは 不安の裏返し
たしかめて安堵する 寂しい人
研究者とか 評論家とか
それらしい言葉が 真実ならば
世界はもっと もっと幸福で
傷つくことも 恐れないのに
リアルは実に 単純で厳しい
欲しいカードが 出てこない
トレードは できません
たったそれだけのこと
刹那なあなた
年齢を重ねれば
落ち着くと
親切ぶるよそ者が
口を出す
お願いだから
放っておいて
刹那なあなたの
見る先に
なにがあるのか
知りたいだけ
最後まで付き合うと
決めたんだ
暴風雨
「どうしてそんなこと言うの?」
思わず荒げて驚いた
わたしの知らないわたし
史上最大とうそぶく暴風雨は
漏れなく容赦ない被害をもたらし
残ったのは
いつもの投げやりな微笑みと
散り散りになって砕けた主張
気まずいポートレート
青い春のモンスター
途中放棄に後悔はないけど
相変わらずなあなたが
やっぱり好きなんて
どうかしてる
ああ そう
あなたも
わたしも
どうかしてたんだ
fin d’un début
ある始まりの終わり