涙も暮れきる
雨の中で街の中で
あなたがいる場所は
どこですか
私には見えない
行けないところでしょうか
遠くから聴こえる
あの日二人で聴いた歌
突然降り出した
雨の中で街の中で
ずぶ濡れになりながら
迷子のわたしは消えていく
短い時間が強さに変わって
いつだってあなたのベッドに
夜が来て朝が来て
いつだって私のベッドに
朝が来て夜が来て
そのことに喜んだり
そのことに悲しんだり
そして二人のベッドに
夕陽が落ちて失望に変わっても
きっとここでしか会えない
短い時間が強さに変わって
あなたは今、私の知らない誰か
毎日のニュース
終わるまでに
青いスエードの靴
本当のつながりに飢えている
あなたの頬を伝うのは
きっと雨粒なのでしょう
あなたは今、私の知らない誰か
あと少しだけそばにいて
目を閉じると
太陽の行方すらわからない
陽の昇るころには
私はもう、あなたを探すことすらない
はなればなれに / Bande à part
はなればなれに
暮らしてみたい
朝早く出かける
あなたと駅でさよならをして
日暮れの駅で
あなたの帰りを待っている
はなればなれに
暮らすあなたの
あなたの帰りを待ってる私
君死にたまふことなかれ
バカね、二人の未来を
誰が知っているというの
きっと神様しか知らない
きっと神様しか知らない
5秒間だけ笑って
あなたはもう
たくさん笑わなくなった
日持ちのしない
熟した果実のような空
あなたはもう
私を必要としなくなった
ザクロを嫌う
あなたの舌のような道
あなたの時間を
5秒間だけもらえるのなら
あの日のように
笑ってほしい
あの午後の太陽のように
あの曲の終わりのように
Journey in to Chapter II
第2章へ続く
Chapter II
一つの光景
もう夢は叶わない
今もまだあの人は
角店の窓から外を
見ているだろうか
誰も知らないこと
あの人への思いは
まだこの胸にある
もう何も隠さない
私はもう消えたい
あなたの影を追う
もしかしたら明日
夢が叶うとしても
もう夢は叶わない
流るる風は哀しい予感
あの頃より
君と見つめ合えるようになった
あの頃より
君と手をつなげるようになった
それなのに
私は一人侘びつくす
流るる風は哀しい予感
寄り添う場所はどこにもなくて
「海に行かうか」
君の声
冬川に石ころをけるあくる日に
海凪げる日の恋心
涙も暮れきる夕暮れの
どうしたらあなたが
喜んでくれるのかわからなくて
どうしたらあなたが
笑ってくれるのかわからなくて
涙も暮れきる夕暮れの
図書室の隅に別れ来て
つくづく寂しいわたしの心
あなたの心に寄り添へば
いつか心も晴れるでしょうね
誰も知らない星が出てゐる
私のデモクラシー
デモクラシーを信じて
過ごした日々
デモクラシーを頂点に
育った私の夢
あなたと出会って
間違いだったと気付いたの
あなたと出会って
従わないことを学んだの
私が私らしく
生きるため
あなたは私の君主です
あなたは私の独裁者
ただそれだけのこと
私の足で歩くため
最後は悲しみで終わる
どこまでも広がっていく空
あなたに抱きしめられながら
どんな自由も
もういらないの
どこまでも広がっていく空
私が生まれた理由
わたしがあなたにできること
それだけが真実
やがて雲が広がり
降り出す雨に打たれても
あなたを慕う気持ちは消え去らない
いくら哀しみを伝えても
いくら愛情を伝えても
最後は悲しみで終わる
fin d’un début
ある始まりの終わり