恋心|恋愛詩集 by 仁音(hitone)
あなた
あなたが私にくれるもの
太陽と月と星
穏やかな眠り
涼やかな目覚め
あなたが私にくれるもの
鼻先に吹く一番の風
いつもそばにあるのに
気づけないもの
いつだって
大きすぎるものは
見えない
みつけたかけらは
ぎゅっとつかんで
離しちゃいけない
あの日
確かなことは
出会ったということ
あの日
この世界で
不思議なのは
今、私は
あなたの中にいて
あなたは私の中にいること
360度の大地
天空には
二筋の飛行機雲
呼応した瞬間
出会ったんだ
確かに
夜風
夜の風は
子守唄
葉をゆらし
木々をゆらし
窓からすべり込み
頬を撫でる
誰よりも優しい手
誰よりも
晩夏の月は
遙かな記憶の物語
あなたと私の
呼びさまされる
頬を撫でるは
あなたの手だったか
夏の宵空
あなたを
信じられなかった
長い影を踏みながら
後をゆく
でもほんとは
あなたへの
自分の思いを
信じられなかったんだ
陽が沈む前に
追いつけるだろうか
まだ間に合うだろうか
夏の宵空はまだ蒼く
手を繋いだ影が
遠くまで伸びていた
ただ‥
たわいないお喋り
美味しいものを食べて
美味しいねって
笑いあう
情熱は少なめでいい
ドラマティックでなくても
たゆたう日々
傍らにはいつもがあって
何も求めず
何も求められず
ただそばにいて
優しい午後
あなたの寝息をずっと聞いていたい
ただそばにいて
Journey in to Chapter II
第2章へ続く
Chapter II
一つの光景
下駄箱
そうそれは
好きって告白して
それだけで十分だった
ティーンズの私
下駄箱で
ばったりあって
何もいえず
ただ手をふるだけ
心臓の鼓動
全身に鳴り響き
bye-byeしか言えず
思い出すたびやり直したくて
再生回数はかさなって
でも今は大切な煌めくシーン
夏の終わり
鏡の前に立ち
鋏を入れる
ハラハラと
前髪
女の髪は
なぜこんなにも
儚げに
落ちるのか
涙がつっと
吐息がふっと
落ちていく
散らばった髪は
失った恋の詩を綴っていた
もうすぐ夏が終わる
星
真っ暗な天井
手を繋ぎ
天を仰ぐ
目を閉じれば満天の星
何はなくとも
きっと笑顔でいよう
そんな内緒話
そんな二人
信じるってなに
わかりあうってなに
こたえは見えない
だけどいつも
君の笑顔そこにいて
みずから輝く星に似て
赤い実
好きとか
愛してるとか
言葉にしたら
風に飛ばされ
運命とか
赤い糸とか
それとても
雨に濡れ
離れず近づきすぎず
幾多の季節
一緒に来た
振り向けば
二人の樹
赤い実ひとつ生っていた
恋心
確かに恋心は
たった一つの愛に
成就されれば
本望でしょう
だけど
愛になれない恋心は
ただただ
恋するしかなくて
叶うまえに
消えてしまう
儚く降る雪
やがてとけると
わかっていても
降り募る雪
fin d’un début
ある始まりの終わり
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