見つかれば見つかるほど
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熱を帯びる
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恋は
叶わない方が美しい
なんて
誰が決めたのだろう
雨上がり
熱を帯びた息の行方
再び雲になって
土砂降り
恋は
叶わない方が美しい
なんて
神様のいじわる
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神様ですら
人が創ったのだ
という時代に
私は夢を見る
朝焼け
黄金色に輝く
草原の上で
あなたを振り向かせる
微笑みかければ
風が謡う
どうかこのまま
醒めないで
わがままな願い
私の目覚めは
神様のいじわる
アメリカンチェリー
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その瞳は
ほんの少し焦がした
キャラメルみたい
食べてしまいたくて
吸い込まれるように
顔を近づけたら
頬の色は
アメリカンチェリー
ふたつ
くっついて
甘い香りは
気のせいだけれど
私のまま
![](https://hitokakeranoima.com/wp-content/uploads/2021/04/1769623_1500-857x1024.jpg)
綺麗なものに
憧れて
そういうものに
なれなくて
初めてマニキュアを塗った
私のままだった
がっかりしたんじゃなくて
どこか
安心したんだ
綺麗なものに
憧れて
そういうものに
私はなり損ねたけれど
あなたのために
とっておこう
きっと今は
![](https://hitokakeranoima.com/wp-content/uploads/2021/04/851377_1500-1024x681.jpg)
吹奏楽の
まだ不揃いな音色を
聞きながら
教室の窓から
あなたの姿を追う
土埃にまみれて
走る背筋の
頼もしい
きっと今は
私のことなんて
頭の片隅にもないのだろう
それでも
夢中なあなたが
私を夢中にさせている
Journey in to Chapter II
第2章へ続く
Chapter II
一つの光景
窮屈
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校舎裏にも
屋上にも入れない
ご時世で
隠れ家を見つけるのは
容易じゃないな
もっと高いところへ
一緒にのぼって
思いっきり叫ぼうと
したって
窮屈な世の中だ
だから
ひっそりと慰めるように
耳元で
囁いてみたんだ
大人になる
![](https://hitokakeranoima.com/wp-content/uploads/2021/04/nico-chamorro-coscia-5IZyn3Re9eI-unsplash.jpg)
私たちは
大人になる
らしい
逃げても拒んでも
いずれ
それはどんな姿をしているの
どこで何をしているの
誰も教えてはくれないけれど
私たちは
大人になる
という
無責任だな
唇を重ねようとしたら
まだ子どもだよって
免罪符は
破り捨てて
どこへも行けない
![](https://hitokakeranoima.com/wp-content/uploads/2021/04/2661169_800.jpg)
努力が報われる
そんな瞬間が
尊くてまぶしいのは
その通りで
当たり前で
誰だって喜ぶものを
素直にそう思えないのは
私のせいだけれど
秋風が木の葉を舞い上げる
枯れてしまった夢の
往く先は何処
薄ら雲の色
私は
どこへも行けないな
零れ落ちるもの
![](https://hitokakeranoima.com/wp-content/uploads/2021/04/1384295_1500-1024x684.jpg)
思い出は
勝手にできていくものだと
私は浅はかに
ないがしろにしてきたのかな
探せば探すほど
見つかって、見つかって
それでも足りないなんて
欲張りなのかな
嗚呼、でも
見つかれば見つかるほど
楽しかったはずなのに
涙に変わっていくのは
どうしてなのかな
思い出は
しまっておいた方がいいのかな
それでも
零れ落ちるものは止まらない
いつまでも追いかける
![](https://hitokakeranoima.com/wp-content/uploads/2021/04/4106446_800.jpg)
離れ離れになることが
始まりだって思えなくて
終わることまで
青春だというなら
輝く季節は
残酷だ
きらめく夢の
そんな夢の続きを
私はいつまでも
追いかけるのだろうか
叶わない方が美しいなんて
そんなの嘘だよ
fin d’un début
ある始まりの終わり