巡る季節のレプリカ
初恋の味
ラズベリーみたいな私の初恋
大好きな君は彼女のもの
一緒に歩いた帰り道
いつも二人笑ってた
あの日彼女が来るまでは
今は一人で歩く道
誰も知らない私の初恋
小さな箱に閉じ込めて
そっとしまって鍵をかけよう
大事な大事な私の初恋
思い出の道
きらきら光る
日差しをあびて
自転車で走る
海沿いの道
君と二人
春風を受けて
ただ幸せで
笑ってた
あの頃未来は輝いて
怖いものなんて
何もなかった
あの日の二人に
戻りたい
涙のダンス
この声はあなたに届かない
ねえ気づいて
ただあなたのそばにいたい
言葉にできないこの想いは
波の音にかき消される
伝えられないこの気持ち
あなたが選ぶのが私でないなら
どんなに足が痛くても
あなたのために踊ろう
泡になってしまっても
あなたの幸せが私の願い
夏祭り
初めてつけた色付きリップ
クラスメイトに
気づかれないよう手をつなぐ
うるさいのは私の鼓動
祭りの音が遠くで鳴ってる
夜空の星も今は見えない
君の背中を追いかける
大好きだった後ろ姿
目を細めて笑う顔
ねえ、君はどこにいるの?
秋空に
この想いは、伝えてはいけない
幼馴染の君
ずっと一緒だった
一番近くにいるから
手に取るようにわかるよ
やりたいことに
全力だから
誰かが入り込むすきはない
今はただ、君をそっと想う
見上げれば、秋の空
Journey in to Chapter II
第2章へ続く
Chapter II
一つの光景
雪うさぎ
雪が降る
悲しみを包み込むように
あなたのいないクリスマス
一人家へと歩き出す
幸せそうな恋人たち
あんな風に笑っていたはずなのに
あなたは彼女のところに行った
悲しみも
喜びも
優しく包んでとけていく
エスプレッソ
苦いコーヒーを飲むあなた
仕事の時の真剣な顔
私とは違う大人のあなた
寝てる時の無防備な顔
好きになりすぎて苦しいよ
コーヒーなんて飲めないし
まだこどもの私には
あなたの横が似合わない
それでも好きでいてくれる?
紫陽花
スマホばかり見てないで
少しでいいから私を見てよ
二人で過ごす時間だけは
私のことを考えて
あなたが誰かのものだって
悲しくなんてないけれど
今この時は
嘘でもいいから
私を好きでいてほしい
卒業式
グラウンドで走る君を
3年間ずっと見てきた
笑顔と汗と走る音
旅立ちの日が来るなんて
慣れ親しんだ校舎にさよなら
今日こそあなたに打ち明けよう
誰よりも速いその足で
私を星に連れていって
向日葵
太陽みたいな君に恋した
私は向日葵
あなたの世界に憧れて
一生懸命背伸びする
どんなに伸びても届かない
涙で見上げた夏の空
fin d’un début
ある始まりの終わり