いつかあなたを見つけたい
永遠
あなたと初めて
会ったのは
文化委員会の打ち合わせ
風船やリボンで
飾り付けをした
文化祭が終わって
渡されたプレゼント
めまいがして
わたしは少し居眠り
眠っている時
見つけたの
今よりずっと遠い感覚
永遠
恋というもの
目が覚めて
小さな箱を
こっそり開けてみる
夢の中の感覚を
呼び起こそうとしたけれど
永遠は
帰ってこなかった
観覧車
霞んだ町
マフラー
お気に入りの曲
観覧車から見た景色は
いつも違って
ざわめいていた
いつからかな
この世界は
ジオラマのよう
あなたの心を
確かめるには
何メートルまで
登ればいいの
白い息で笑って
缶コーヒーで
温める両手
欲しいものは
何もない
街角の風船で
満たされた日々
魚
青の世界に
プカプカ
余計な音も
遮断され
呼吸の音に
耳を澄ます
力を抜いて
ゆらゆら
水流に漂う
空を飛ぶ
自由な鳥に
憧れるときもあるけれど
わたしは魚のままでいい
流れのままに
漂って
あなたの元へ
流れ着きたい
小さなわたし
遠い世界に
旅に出ましょう
きっとこの場所に
置き去りにした
わたしの姿は
小さくなるわ
それなのに
遠い世界で
迷子のわたしは
小さなわたしが
変わらずそこに
立ってることに
気づいたの
遠い世界で
見つけたわたし
何も変わらない
遠い世界で
迷子のわたし
このままじゃもう
わたしは
変わりっこないのね
あなたばかり
変えようとしていたのね
いつのまにか
あなたに
聞きたいことは
ひとつだけ
どうせあなたと
手を離すなら
かわいくなくて
ひねくれていて
意地悪な
わたしをぶつけて
思い切り
嫌われればよかったね
チャンスはきっと
そこかしこにあった
最後まで
いいコでいたくて
何も言えなくて
唇を噛んだ
わたしたちは
いつのまにか
違う道を
歩いていたんだ
Journey in to Chapter II
第2章へ続く
Chapter II
一つの光景
愛のこと
きっと今なら
きっと上手に
伝えられる
愛のこと
あなたのことだけ
特別
だから余計
悲しくなってしまう
今ならきっと
上手に愛を
伝えられる
伝えられるのに
そんな時に限って
あなたは居なくて
行き場の無い
想いあふれたわたしは
心をくしゃくしゃにして
怒って泣いて
そんなことしか
できなくて
一瞬
手を離しても
心はつながっている
いつか一緒になれる
信じていた
時間が心を
癒やせればいいのに
時間は2人を
引き離す
時間は過去
とどまったまま
時間は未来
ただ過ぎていく
一瞬は痛いほど
輝きを増す
あなたの恋人
あなたの恋人を
街で見かけた
彼女の素敵なところ
胸に焼き付けた
自分は自分
言い聞かしてた
心からそう思えたら
どんなにいいか
苦しくなるのは
慣れっこだけれど
難しい問題ね
わたしはかたくなに
あなたの恋人の
ダメなところを
探してしまう
そしてまた
ため息をひとつ
つくの
あくび
プレーヤーから
偶然流れてきた
古い曲
あの日
「感謝を込めて」と
あなたが
プレゼントしてくれた
あの曲
満開の桜の下で
2人で地べたに座ったね
湿った土と
桜の香り
缶ジュースを飲んだ
「流行ってるのね」
聞き流したけれど
今は胸に突き刺さる
わたしは
あなたの気持ち
わかってるふり
していただけなんだ
目の前が滲んで
見えなくなる
そっと目をこする
あくびをしたふり
目印
もし生まれ変わったら
あなただってわかるように
目印を付けていてね
初めてのデート
あなたの後ろ姿
見とれていた
高い空に
スッと流れ星
追いかけるようにふたつ
ポストカードのよう
あれが目印だった
あなただという
合図だった
もし生まれ変わったら
わたしはあなたを
必ず見つけるわ
fin d’un début
ある始まりの終わり