ホームシック・ガール
さよなら
いつまでもいつまでも
さよなら
あなたはあの日のまま
あのさよならの瞬間のまま
どこまでもどこまでも
さよなら
これが最後と思っても
あなたはいつまでもそこに
涙が流れても
川にすらならない
涙が流れても
足元は灰色の街
あなたに出会えて
どうかもう二度と
微笑みを見せないで
枯れ果てた涙が
流れ落ちそうになる
あなたは光の中を歩いてく
私はかたく目を閉じる
あなたに出会えて
嬉しかったこと
あなたに出会えて
悲しかったこと
たくさんある
想いがあふれて
すべてを失ったんだ
希望の道
今日は
あなたと別れた日
駅のホームで
あなたのSNS
指でなぞる
知りたくないけど
教えてほしくて
忘れたいのじゃなくて
憶えていたくて
幸せならよかった
新しい明日におめでとう
わたしじゃなきゃよかった
希望の道にたたずんだ
あなたの好きなレコード
10年なんてすぐだと
あなたは言ったね
でもわたしにとっては
長い、長い、年月だったよ
2人の心が重なったのは
ほんの数カ月のことだったけど
2人の心が離れた今は
100年にも200年にも感じる
いつかまた
家に遊びに来てほしい
大好きだったレコード
今も聴けるから
大好きだったビールも
冷やしてあるから
ぜんぶあなたが正しい
ずっと思っていたの
ぜんぶあなたが正しいって
キスもバイバイも
ぜんぶあなたが正しいって
でも間違っていた
ぜんぶあなたが正しいなんて
どうして私が
決めることができるの
あなたのことを
尊敬してる
だから全部決めて
正しいことを
私が間違っていたことを
いつもあなたが決めてほしい
私が間違っていたことを
Journey in to Chapter II
第2章へ続く
Chapter II
一つの光景
未来はいつまでもあなたの手の中
あなたと待ち合わせした
四ツ谷駅の聖イグナチオ教会
髪を撫ぜるあたたかい風
リバーブの中に堕ちた声
切なすぎて愛しすぎて
きっといつまでも忘れないだろう
わたしは今でも
捨てられたなんて
思っているけれど
未来はいつまでも
あなたの手の中にある
だからあなたには
これ以上ないくらい
幸せになってほしい
「久しぶりだね」
そんなふうに
笑っていてほしい
愛が壊れる
あなたは
持っているの?
わたしとの記憶
幾つ持っているの?
繰り返される
愛が壊れる
あなたは永遠に
届かないもの
でもわたしの
胸の中にいる
わたしは幾つ
持っているんだろう
あなたを幾つ
持っているんだろう
きっと何も
持っていなかったんだね
きっと全部
壊れたんだよ
昨日よりキレイな私
あなたと夢で会えた日は
一日中ふわふわ
5月に会ったグラウンド
もう3カ月たったんだね
汗の匂いに誘われて
まるで雲になった気分
あの雪の日を思い出せば
チョコチップのジェラート
いつか一緒に
食べたいね
あの春の日を思い出せば
最初みたいにキスできる?
毎日が記念日
昨日よりキレイな私がいる
冷めたキッシュ
いつもなら
指を絡ませていたのに
いつもなら
2人の紅茶を並べていたのに
いつもなら
駅まで見送りに行くのに
あなたはもう
帰ってこないの
わたしのこと
嫌いになったの
西日が差すキッチンで
作ったキッシュも冷めてしまった
ホームシック・ガール
またいつか
会えますか
わがままばかり
ごめんなさい
この空を
あなたも見ていたら
これほどの幸せは
ありません
わたしはただの
ホームシック・ガール
あなたと離れて
ホームシック・ガール
いつかあなたは
元カレになる
いつかわたしも
元カノになる
悲しい強がりは
終わりにしようよ
さよならの握手
ずっとしようね
わたしはただの
ホームシック・ガール
あなたと離れて
ホームシック・ガール
fin d’un début
ある始まりの終わり