均衡を保つのに「3」ほど難しい数字はありません
きれいなトライアングルは昨日まで
キューピッドのはずが
余計な一言で
過ぎたことを暴露
すべてを知るのが
正義じゃないのに
彼女を傷つけ
あなたが責められ
当のわたしは
どうしたらいいの
抜け駆け
一度壊れると
あとは転げ落ちるだけ
蓋をしたはずのものが
気づかないフリをしたものが
むくりと起き上がった
昨日も今日も
何食わぬ顔で
落ち合って
悩ましいと言いながら
2人だけの時間を共有する
嘘ばっかりの2人は
彼女に内緒で憂鬱そうに
小さな喜びを分かち合う
比べられないもの
予知する能力があるのなら
もっとずっと簡単な話
振り返っても
過ごした時間の大切さに
違いはなくて
差を見出すなら
これからのこと
タロットカードに
托してみよう
そう割り切れればいいのにね
本音と建て前
傷つけたくない
あなたの言い訳
傷つきたくない
わたしの本音
加害者になるのも
彼女を失うのも
怖いから
あなただって同じなのに
偽善者の仮面で正当化した
あの日の選択
ずっと前から知ってた
彼女の気持ち
あえて表明しなくても
暗黙の了解
心地いい関係を壊さないため
もう少し
もう少しと先延ばしにして
早まったのはせっかちな彼
誤ったのは決断できないわたし
一時の感情に流されて
大切なことを見落とした
Journey in to Chapter II
第2章へ続く
Chapter II
一つの光景
まだ 失くせない
5年経っても
10年経っても
子どもができたら
孫ができたら
きっと
もう
叶わない
くだらないことに
たくさん笑って
幸せな明日を信じて
理不尽や悲しみは
わずかでも
共有しようと奮闘して
もう
きっと
叶わない
だけど
あと少し
あがいてみたい
雨雲をはらって
しとしと しとしと
すっぽり覆ったまま
重たい雲にますます沈んで
能天気な光も思い出せないほど
ぽたぽた ぽたぽた
時たま雨脚はリズムを変えて
右往左往する思考は
答えがなくても止められない
どこでもいい
不時着でも
辿り着きたい
雨雲をはらって
薄暗闇に
光を届かせて
フルトンのガード越し
雨空を見上げれば
あの子の泣き顔によく似てた
誰かを好きになるなんて
いつも3人一緒で
彼の仲間が増えたり減ったり
自由で気楽でマイペースで
苦しい想いも消化できたのに
誰かを好きになって
誰も傷つかない
そんなの不可能
思い知った
誰かを好きになるなんて
もうこりごり
読みたい本は山積みのまま
とっておきのタルトタタンも
いまひとつ
誰かを好きになるなんて
もうこりごり
アクアリウムの
ショートリーフになって
何も考えず
ゆらゆらしたい
ひとりよがり
考えて
意味もないのに
また考えて
くよくよしては
誰かのせいか考えて
気づいたら
下を向きすぎて
彼女のことも彼のことも
わたしのことも見てなかった
ただの1人遊び
うっとうしい想いに決別を!
不毛なことは
終わりにしよう
真面目に考えても
答えが出ないなら
意味は無し
わたしたちには時間がない
楽しく笑ってふざけて
転ぶのが唯一の正解
うっとうしい雨雲を
鋭く切り裂いて
イメージの虹に向かって
ダイブした
fin d’un début
ある始まりの終わり