長いお別れ
ディ・ドゥ・ダ
「太陽は白い?」
「たぶんね」
「月は大きな穴?」
「たぶんね」
「羊は眠らない?」
「たぶんね」
「苦痛は天国につづく?」
「たぶんね」
「そう」
「そうだ」
「ベッドは夜と」
「戦うための戦場」
「ベッドは夜と戦うための戦場」
マーガレット
彼はわたしを
愛している
愛していない
少しだけ
たくさん
熱く
気がおかしくなるほど
彼はわたしを
愛している
愛していない
少しも
全然
氷のように
他人のように
冷たい指のように
愛していない
バビロン
わたしもあなたもいない
手をのばしても
霧のように散っていく
バビロンの幽囚
見つけても
何も見つからない
空の下で死に
土の上で生きるの
コップの中で
動物になる
毒を盛る
バビロンの幽囚
あなたがわたしの
髪を撫でるとき
わたしは冬
いつまでもあなたを
好きなままでいたくて
さよならをした
わたしは冬
口づけをください
果てしなく続く
氷海
一瞬で溶かす
あなたは
夜と炎のパヴァーヌ
プロメテウス
口づけをください
さよならをした
わたしに告げて
真実は悲劇なのだと
それでもいいの
わたしは冬
一年間
さよなら
長いお別れ
あなたの胸に
いた頃のわたし
あなたの部屋の片隅
忘れたままのストール
どうかいつまでも
そこに置いていて
楽し気な街並も
公園の帰り道も
あなたの記憶の片隅
もう思い出すことさえ
ないのだとしても
Journey in to Chapter II
第2章へ続く
Chapter II
一つの光景
わたしは知らない
鏡の中の月
わたしはあなたを知らない
いくつかのキスと
ささやきと
藍色の空を反射する
鏡の中の月
わたしはあなたを知らない
愛は育ち
夢が叶い
落ちていく
ピリオドを探すの
今日も
明日も
わたしはあなたのものであり
わたしはあなたの中にいる
鳥かご
あなたの恋人になるために
朝を忘れたヒバリ
宵闇にうずくまる
あなたの指が頬に触れる
そして、わたしは、迷子
あなたの恋人でいるために
夜にはぐれた夜鳥
朝焼けにうずくまる
あなたの声が耳をかすめる
そして、わたしは、迷子
エレナのように
ペレストロイカ
マルタ会談で
東の壁に立つ
行きずりの恋人と
西の海に溺れる
永遠の花束が
溶け合い
回る
エレナのように
悲しみの中を
シーツの上で
罵る子ども
これから夜が
始まるのね
エレナのように
悲しみの中で
そしてまた夢
後ろを見るだけの時間
理由はないの
あなたが近くにいた時は
あなたが去っていくとは
思わなかった
そしてまた悲しみ
そしてまた夢
明日のことを思ってる
理由はないの
あなたが近くにいた時は
終わりが来るなんてこと
思わなかった
そしてまた悲しみ
そしてまた夢
シンフォニー
あなたがどこにいようと
わたしはここにいる
あなたが微笑んだら
わたしは微笑む
あなたが悲しんだら
わたしは胸が張り裂けそうになる
あなたがどこにいようと
わたしはここにいる
あなたが行くなら
わたしも行くの
あなたが帰るなら
わたしはいつまでも待つでしょう
あなたがどこにいようと
わたしはここにいる
fin d’un début
ある始まりの終わり