好きになった理由|恋愛詩集 by すもも🌸🍑
風
あなたへの想いに対して
急に自信が無くなった。
心の中がざわざわして
このままでいいのかと不安になる。
でもあなたの笑顔を見ると
そんな思いはどこかへ消え去って。
心地よさが風とともに
やって来たような気がした。
屈託なく笑うあなたを
今はただ、見つめていたい。
不器用
“貴方が好き”って
言えたらいいのに。
でも、私は素直じゃないから
“貴方と話すのが好き”と言ってしまう。
私の“好き”はきっと
貴方を困らせてしまうだろうから。
年齢も立場も全く違う私たち。
貴方は私の手が届かない場所にいる。
それでも私は遠回しに言い続ける。
“貴方が好き”と。
口実
読めもしない本を持っている私は
愚か者なのかもしれない
ただ少しでもあなたに近づきたくて
ちょっと背伸びをしているの
「その本面白いよね」と
あなたが聞いてくれるように
話すきっかけになってほしいと
心のなかで唱えながら
私は今日も一人窓際で
あなたが来るのを待っている
明日
明日あの人に会える
何を話そうか
頭の中はほわほわほわ
心はまるで跳ねるよう
何をしていてもどこにいても
思い出すのはあなたのこと
少しでも一緒に居たい
淡い期待が胸をよぎる
こんな状態じゃ
きっとあなたに怒られちゃうな
でも今は、今だけは
浮かれている私を許してほしい
温もり
あなたと手を繋いだ日のことを
私は覚えている
じんわりとあたたかい
私より大きな手
私の手は冷たいのに
あなたは絶対に離さなかった
軽く手を握ると
あなたも握り返した
そばにある温もりに
私は縋った
あなたもあの日のことを
覚えているのだろうか
Journey in to Chapter II
第2章へ続く
Chapter II
一つの光景
願い
駅の中を通ると
短冊をつけた笹の葉が
さらさらと音を立てている
その中で見つけた一つの短冊
「あの人と一緒に居られますように」
“もう一人の私を見つけた”
そんな気がした
この短冊を書いたあなたは
今、幸せなのだろうか
願わくばどうかあなたの元に
沢山の幸せが降り注ぎますように
白昼夢
夢に出てきてほしいと
何度願ったことか。
会えることができない
あなただから
せめて夢の中だけでも会いたいと
思ったけれど。
夢の中でも私は何もできずに
ただあなたを見つめるだけ。
ずっとここに居たいと
思っていたのに。
魔法がとけて
私は現実に戻される。
今はほら、
こんなにも虚しい。
君
君はいつも無表情
何を考えているのか分からない
だから尚更話したくなるの
たとえ私の話に興味がなかったとしても
ほんの少しでもいい
私の方を見てほしいから
ちょっとだけ
袖を引っ張ってみたりもするの
そうするとほら
君と目が合う
その瞳に映るのは
私だけ
そんなことが
こんなにも嬉しい
教示
君に出会わなければよかった
そしたらこんなに
苦しむことも 悲しむことも
きっと無かったのに
でも、君に会わなければ
世界が沢山の色で満ち溢れていることも
自分にこんな感情があることも
きっと知らなかっただろう
世界の美しさを 私の心の弱さを
教えてくれたのは君だった
好きになった理由
社会的地位とか
年齢に惹かれたんじゃない
外見とか
中身に惹かれた訳でもない
話してて楽しいからとか
趣味が合うから
好きになった訳でもない
私は唯、
“あなた”だから
好きになったの
fin d’un début
ある始まりの終わり
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