本当を信じたい
星が 眠り始めるころ わたしは おぼろげな夢を見る もうすぐ迫る 暁紅は 鋭い光で まぶたを叩くだろう だけどもう少しだけ 待っていて 今はまだ あの人との思い出が 残っているから たとえそれが 朝には消える 運命だとしても
恋の始まりと、恋の終わり。終わらない始まりと、ある始まりの終わり。
それが恋愛詩集です。
恋が叶っても、恋が叶わなくても、それは世界でたったひとつの物語。
恋する気持ちが終わることはありません。
あなたの勇気が、一かけらの今を、切ない恋の詩を彩ります。
星が 眠り始めるころ わたしは おぼろげな夢を見る もうすぐ迫る 暁紅は 鋭い光で まぶたを叩くだろう だけどもう少しだけ 待っていて 今はまだ あの人との思い出が 残っているから たとえそれが 朝には消える 運命だとしても
詩人のように愛して どんな難しい口づけも リルケのように熱っぽく 雨情のように大人びて 蟹座の月が見つからなくて 白い夜なら小さくて 窓の外はお天気 地に足をつけたら 天使の街で会いましょう
わたしの目に映る 冷たい景色 後悔が胸を刺す 記憶も約束も 不確かなまま 波にさらわれて 恋心は 月の港を漂う 運命だった ぜんぶぜんぶ インディゴブルーに 消えていく 逃げるように 隠れるように 愛されたいの わたしは あなたを愛して この水の底に 沈んでもいいの
いつも あなたの心に帰る道 探してるよ いつも あなたに貰った勇気 探してるよ いつも 二人の日々に戻る道 探してるよ 本当の恋は過ぎてしまった 私はまた一人 あなたの後ろ姿は どこかもの悲しい 口笛の音色みたいに 消えていく
「月が揺れてるね」 空気中に溶かすような とっておきの優しさで 膝に乗せていたオスカー・ワイルド 壁にかかるビアズリー どちらともなく 視線を泳がせる 「いま見える月の光は 1.3秒前のものなんだって」 わたしが好きなあなたの表情 過去の光を見ているときの 甘くて鋭いその表情
色彩をのせて 過ぎていく日々 あなたのせいよ 深く沈む濃紺 静寂の銀 淡くにじむ薄桃 呼ぶ声は青藍 はじけた笑顔の金 あなたのせいで 心の奥はいつでも紅 透明なわたしに 色彩をのせて 輪郭を描いた きらめくあなた
貴方の口元から 零れ落ちた 言葉を思い出す 今となってはもう遅いけど やっと 代償に気づいたよ ごめんね ありがとう もう二度と会わない ウヲアイニ アラベスク
初恋は真冬の花火 偏西風は海に向かって 凛とした空気の中 あなたの心の輝きが 雪の結晶みたいで わたしのすべてを 奪い去ってしまった
きっとおこがましいほど 神様が苦笑いしてしまうほどに 私達は感情に名前をつけたがる 君と一緒にいたいと願いながら 君の幸せも 君の大切な人の幸せも そっと願うこと この気持ちはなんていうんだろうね
あなたと続けた 旅の終わり あと少しで 終点に着くのだろう 進んできた道のりを 戻る強さもなく もしまた同じ駅で会えたなら 違う二人に なれるのかな 終点前に ひとり降りる 告げるサヨナラ 「平気だよ」と わたし 心に嘘をつく もしまた同じ駅で会えたなら 本当のことを 伝えられるのかな