恋愛詩集

恋の始まりと、恋の終わり。終わらない始まりと、ある始まりの終わり。
それが恋愛詩集です。
恋が叶っても、恋が叶わなくても、それは世界でたったひとつの物語。
恋する気持ちが終わることはありません。
あなたの勇気が、一かけらの今を、切ない恋の詩を彩ります。

目が合えば微笑むこと、手を握れば温かいこと
恋愛詩集

目が合えば微笑むこと、手を握れば温かいこと

まぶたの上に手をかざして 地平線を見やれば 海のようにさざめく 広大な麦畑 サンダルを脱いで 時計を外して あなたの手だけを 大切に握りしめる 目が合えば微笑むこと 手を握れば温かいこと それだけのことが こんなにも胸を打つなんて 教えてくれたのは 隣で優しく笑うひと

恋愛詩集

きっと最後の記念日

ほら 笑って もっと近づいて シャッターを押すから その間だけ じっとしていて 見つめていて わたしの頬に 優しく触れて 最高の笑顔 あなただけに見せるから 照れないで 笑ってみせて 出会った頃に そうしたように 最後のキス 波の光に消えていく わたしの恋は 永遠になる

あなたはその大きな手で髪を撫でる
恋愛詩集

あなたはその大きな手で髪を撫でる

わたしの心に雨が降りやすいこと たまに冗談を信じてしまうところ 乾いた場所と譲れない場所があること あなたはお見通しだった わたしはまだまだ あなたに届かずに ぐっとかかとを上げている それをなだめるように あなたはその大きな手で髪を撫でる

恋愛詩集

数えきれぬ旅立ち

伏し目がちな横顔 ふわりと香る洗い立てのシャツ 遠くで鳴る始業ベル 木々のざわめきに抱かれ 世界の音が消える 数えきれぬ旅立ちに あなたとふたりきり ただ空の中だけでは どうか優しいぬくもりを どうかこのまま伝えてね 夜に願うのは 穏やかな余韻 朝には笑えるように 少しだけ踏み出せるように

恋愛詩集 いつかあなたが笑いながらアパートのドアを開けてくれる気がして
恋愛詩集

いつかあなたが笑いながらアパートのドアを開けてくれる気がして

あなたが住んだアパートに 来週行ってみませんか いつもの路地を通り過ぎ 夕暮れの中を二人きり この街の匂いと あなたの肩の匂いと わたしはただそれだけで 明日への勇気が持てました 二人が離れた今になっても わたしは希望を捨てられません いつかあなたが笑いながら アパートのドアを開けてくれる気がして