今でもすべてわたしの中
横顔
ビルの隙間から
覗く日差し
俯く横顔
長いまつ毛が揺れる
優しい猫っ毛
見つめる視線
吸い込まれる
赤くなる耳
言葉にならず
通り過ぎる
ねぇ、きっと
あの頃から
夢中になった
体温
光と影のダンス
昼より夜が
美しいよと
こっそり抜け出した
揺れるスカート
ベンチ
手の温もり
胸をなぞる
体温に触れて
とろける心
教えてくれたのは
あなた
海の底
イヤフォンから
漏れる音
何聞いてるの
片方のイヤホンを
そっと差し出し
いたずら顔
ボリュームを上げ
海の底まで
連れて行って
もっと深く
溺れたい
シンフォニー
近づきたいの
肌に触れたい
どんな姿も
受け入れて
受け止める
星空
お城を目指して
森深く
夕焼けが眩しく
目を細める
影が伸び
このまま奥まで
突き進む
気がつけば
空には一面
流れ星
焦らなくていい
時間はたっぷり
あるからと
朝が来ないで
願うだけ
差し込む光
川に入ると
流される
冷たい水に
足を取られ
迎えに来たのは
たった1人
掬い上げるよう
そっと優しく
抱きしめて
差し込む光
脆い心
壊れてもいい
目の奥を覗き込む
Journey in to Chapter II
第2章へ続く
Chapter II
一つの光景
煌めく世界
ただいま
おかえり
ポインセチアが色づく頃
扉を開き
迎えてくれた
得意げに導く
テーブルの上には
一面の幸せ
見上げる視線
抱きしめる
時計の針が
止まればいい
清純な瞳
まつ毛を絡ませ
ずっとこのまま
煌めく世界
ジーンズ
雑音に囲まれ
疲弊する
眠りの海に誘われて
意識は朦朧
そんな日も
甘く温かい
体温に
ぎゅっと包まれ
眠り姫
目覚める
横顔
微笑むわたし
狂うほど
愛おしい
その姿
脱ぎ捨てたジーンズ
見慣れた景色
風がそっと
二人の頬に
闇が包む
突然訪れた
不穏な空気
眠れぬ夜
こぼれ落ちる砂のよう
夢なら醒めて
まだ間に合うわ
なり響くアラーム
落ちるジェットコースター
大きな波に襲われる
闇に包まれ
戻れない
今も側には
ポインセチア
湿ったシャツ
滲む汗
無音
うつむく視線
薄い酸素
何も聞こえず
味もせず
落ちる肩
不味い空気
何も感じない
惰性の日々
ただ会いたい
望むことは
たった一つ
それだけなのに
どれほど時間は
経ったのだろう
届けたい
恋する気持ち
届かない
きっとこのまま
どこかに存在を
確かめたくて
1人彷徨う
わたしの中
どれくらい
歩いたのだろう
ある昼下がり
ふと感じる
あなたの香り
側にいるよ
笑顔が蘇る
この空の下
今も変わらず
元気ですか
思い出す笑顔
優しく撫でる大きな手
伝わる火照り
見つめ合った夜
空を見上げて
瞳を閉じる
今でもすべて
わたしの中
fin d’un début
ある始まりの終わり