涙の音が届くとき
恋愛詩集
別れの朝
あなたの望む
やさしい場所に
わたしはなれなかったから
ぽっかり空いた
あなたの場所に
別れの朝が来るのでしょう
涙の音
別れの音を
数えてみるの
涙の音の
小さな声が
あなたの耳に
届くなら
たったひとつの
小さな声が
別れの音だと
心に落ちる
偶然の恋
西日が照らす
偶然の恋
描きためたスケッチ
一つひとつ消えていく
オレンジ色のきらめき
夜には雨が
朝まで降り続く
すれ違い
手に届かない
コットンキャンディー
せめてあなたに
柔らかな旋律
ラブソングとは
言えないけれど
こんなにも近くて
こんなにもすれ違い
淡い色のため息
足りないこと
季節が変わるとき
笑ってさよならを言えたら
やがて来る次の季節に
これからのこと
空にまで届くのに
いつかわたしを呼んでください
足りないことも
多々あるけれど
Journey in to Chapter II
第2章へ続く
Chapter II
一つの光景
ここに来て
きっと本当のことなんて
何もなかったんだと思う
嘘さえもない
大切な理由と
大切にされたい理由
せめて
もう一度ここに来て
まわり道
約束は
まわり道
わたしの心に
佇むだけの影
苦くて甘い
溶けていくもの
永遠に叶わない
夕暮れ
人魚の涙
フランソワーズ
悲しくて
ヴァイオリンの旋律に
目を伏せた
さよならが運命なら
人魚の涙
キラキラの抜け殻
ひとつだけ
この空が
あなたとわたしをつなぐ
たったひとつのもの
この空から
あなたが消えてしまったら
私は生きることさえ
そっとあきらめてしまいそう
旅立ちの朝
あなたと別れ
旅立ちの朝が訪れる
わたしがあなたに望むもの
わがままなこの
二人の場所を
いつか許してくれますか
fin d’un début
ある始まりの終わり