ターニングポイントは後から
あなたの暮らす街
注意深く目を凝らすと
コマ送りの描写がつづく
緑の息吹き
どこまでもオリジナルな空
透き通る美に
陶酔していると
段々と視界は
モノトーンに刻まれていく
駅を降りると
人口の多い街
あなたの暮らす街
コーラス
ひとりでは即興できない
コーラスの重なり
わたしの内側から
あなたへと
まわりへと
フォーカスを聴取する
大きな木を観察するように
あなたは教えてくれた
いつも違う発見は
輝く響きを教えてくれた
砂の結晶
指の隙間から
砂の粒子
跡形を残さずに
こぼれ落ちていく
綺麗な流れは
とどめておけない
かけがえのない日々ばかり
感じとるのに
年月がかかってしまう
綺麗な形ほど
そうなのかな、なんて
ファミレス
ファミレスでさ
すぐ会えた関係
ミクロからマクロまで
計りきれない内容
じたばた手を動かし
身をよじっては
満面の笑みになる
今はただ
ぜんぶが遠い向こう側
あなたとは
どこだろうと
たわいのない
尽きない話の
続きをしていた
See You
ガラス窓の向こう側
はしゃいで手を振る
無邪気な眩しさ
昨日までのつまずきも
去って行ったよ
目尻の下がった笑みは
ぬくい雰囲気
隣に並ぶと
包まれるように伝わった
大空の下にいるような
あたたかい安心感
Journey in to Chapter II
第2章へ続く
Chapter II
一つの光景
雨音
ボツボツと
大粒の雨
ビニール傘にあたる
重い水滴
背の高いあなたの
右肩は染みている
傘を右に傾けると
少し不機嫌そうになるから
このままのスピード
歩幅を並べて
街路をいこう
エスコート
器用な振る舞いに
慣れていなくて
大きな上着を無造作に渡す
ドアを開ける長い腕
仲間内で喋る順番も
優先してくれた
あなたのエスコート
こそばゆい今
わたしの素振りこそ
ぎこちないのかも
足跡を踏みしめている
背中を丸めてしゃがみたい
気持ちを隠しながら
人混みの中にいる
膝から下
お人形じゃない重みは
増して一歩ずつ
足跡を踏みしめている
わたしがいる景色は
誰かの景色
それぞれの速さで対をなし
果てしなく進んでいく
ただ時刻は流れて
物言わずに流れていくから
雨音 II
膝を抱えそうなこんな日は
少し肌寒さが戻って
グレーの空模様
雨でよかった
ささくれ立つ心模様
雨音は覆い隠してくれる
気がするから
いつもより大通りは静かで
緑を濃く濡らす
透明の雨音
沈思したいこんな日に
似合う気がするんだ
曲がり角
枝分かれの道を
じっと黙して立っている
勢いよく息を吸い込んで
なんとなく
惑わない方向へと進もうか
意思の道しるべ
目を凝らして考えるより
あなたの心に
ゆだねてみるの
振り向いた時
ターニングポイントだったと
後から気づけるように
fin d’un début
ある始まりの終わり