心の奥のたからばこ
幻想
たくさんの人と
すれ違うのだけど
みんなあなたに見えるのは
どうして?
ああ、会いたい
なにもなかったかのように
「お待たせ」
「待った?」
声をかけられ
デートが始まればいいのに
タイムマシン
タイムマシンがあったら
あの日強がった私
叱りに行くのに
タイムマシンがあったら
泣いて悔やむ日々が来る
教えてあげるのに
タイムマシンがあったら
もっとすがってもいい
いい子のフリをしなくていい
教えに行くのに
変えてしまった
おひさまのような
にこやかに笑う人でした
わたぐものような
ふわふわとした人でした
甘えてしまったの
当たり前にあった
穏やかな日常
変えてしまったの
悲しみの雨
容赦なく打ちつけてくる
これからわたしは
何を信じて
歩いて行けばよいのでしょう
途方に暮れる
いまさら気づいた
灰色のモヤ
心と視界を奪っていく
きらめいていた世界が
モノクロに変わる
したいことがあったはずなのに
膝を抱えて
外にさえ出れないの
あなたという存在が
わたしを
動かしていたのね
気づくのが
あまりにも
遅すぎて
心の奥のたからばこ
外はもう夕方
思いふけって
時間が過ぎ去る
終わってしまった
あの頃の楽しい思い出
ふしぎなものだね
よかったことしか
思い出せない
漂って
ひっそりとまた
胸の底にしまう
だれも触れられない
心の奥の
たからばこ
Journey in to Chapter II
第2章へ続く
Chapter II
一つの光景
見たくない、私なんて
私には
雨がお似合い
ザーッという音が
泣きたい記憶に寄り添うの
大きくできた水たまり
ゆがんだ顔がうつりこむ
見せないで
情けない顔
泣きたくなる
苦しくなる
進めない自分
ピチャリ
水たまり踏みつけ
前を向いた
認めて欲しい人
告白されるということは
私、変われたのかな
認められたくて
信じてほしくて
がむしゃらに
やってきたことは
意味があったのかな
三角形のてっぺんの
世の中で認められたい
たったひとりの人
つながり
あなたも
思い返すことがある?
つまらないことで
はしゃいで
笑い合った2人のこと
それとももう
新しい人に
やさしい笑顔を
向けてるのかな
縁がなかったなんて
簡単にひとは言うけれど
まだ信じたくて
どうしても信じたくて
もういちど
つながりたいと願う
わたしがいるの
たぐりよせたい
縁
結びたい
縁
正夢に賭けたい気持ち
夢で見た知らない遊園地
メリーゴーランド
あなたは楽しそうに
笑っていた
場所はどこ?
向かえば会える気がするの
楽しかったあのときに
戻れるような気がするの
明日はちょうど日曜日
また同じ夢を見たくて
また同じ気持ちになりたくて
いつもならまだ
ベッドの中なのに
とっておきの服を着て
電車に乗り込んだ
約束の日
どれくらいたったのだろう
わたしはずっと
待っているよ
あなたが言った言葉
「この場所で、また会おうよ」
ドキドキが止まらないの
どんな顔をしてわたし
駆け寄るのかな
どんな顔をしてわたし
あなたと手をつなぐのだろう
約束の日
わたしはずっと
待っているよ
fin d’un début
ある始まりの終わり