午前三時のフィルム・ノワール
新宿駅で見つけた 鎌倉行きの文字 まばらに車内に乗った人は これから何処かに 帰るのだろうか 気づけば潮の 匂いの中に 佇んでいた 道しるべは 遠い三日月 帰る場所を失った鳥は 果てない空の下で 震えている 二十三時四十五分 貴方への遺言
新宿駅で見つけた 鎌倉行きの文字 まばらに車内に乗った人は これから何処かに 帰るのだろうか 気づけば潮の 匂いの中に 佇んでいた 道しるべは 遠い三日月 帰る場所を失った鳥は 果てない空の下で 震えている 二十三時四十五分 貴方への遺言
やさしいあなたを 誠実さから 遠ざけたくはないから ガラスの家をつくる 誰にも見えないように ひっそりと内側に 熱情を押し隠して あなたとあの子の 帰り道 わたしだけが知っている 道端の花の誠実さ あなただけが知っている 小さな木の実の鮮やかさ これは自分勝手な絶望 空が落ちてくるほどの
時間差攻撃のトゲトゲに 打ちひしがれ うつむいて立ち止まったとき 小さく愛しい灯火が消えて 張り裂ける痛みを知ったとき 言葉にできないふがいなさに 音にならない叫び声をあげたときも 苦しいときはいつも 隣りにあなたがいたから その手を掴んでしまったのは 悪くないよね?
わたしと別れてあなたは 新しい恋を見つけたと聞いたわ 悲しみに暮れるわたしは 嬉しくて笑ったの 本当によかった わたしを忘れてくれること ただ幸せだった 思い出してもくれないこと きっとこれからは さよならをするために生まれた 生きていくなら 幸せにならなきゃ さよならをするためにわたしは 大事なものを失って すごく幸せ さよならをするために そのために在る
もしもわたしが 誰よりも綺麗で 今よりも大人で 自分の事を 信じていたなら 闘う勇気をもてたかな 心の奥に押し込んだ 負け犬の咆哮 耳をすませば 今もほら 泣いてるような 遠吠えがきこえる
あなたはどこまでも やさしくて 冷たい 黙って 手を差し出してくれるけど ぎゅっと 抱きしめてはくれない わたしだって いつも 三日月みたいじゃ いられないのに
吉岡幸一さまの恋愛詩には失恋や悲しみの中にもやさしさがあります♡ぜひみなさまも吉岡幸一さまの恋愛詩集を読んで切ない気持ちややさしい気持ちに浸ってみてくださいね♡
焦げた夕日を 前に立ちつくすと まだ時々いとしくなる ふと時々さみしくなる 訳もなく胸が騒ぐのは お祭り前の静けさに どこか気配が似ているせい なにかが欠けると なにかを招く予感 今度あなたに会うときには 美しく感じるままに 過ごせそう
あなたと 一緒になった帰り路 横断歩道の真ん中 シャツの袖口 そっとつかんで 「もう少し一緒にいたい」 何を言っているのだろう 心臓が破裂しそうで 一瞬がこんなにも長く感じるなんて あなたはやさしく微笑む 「また明日」 横断歩道を渡っていく 背中を見送った 横断歩道から横断歩道までの たった100メートル それがここにある わたしのすべて
大人になったの わたし 大人になったの だから あなたのことを願うの ただ 笑っていてほしいって ただ 幸せになってほしいって 例えそれが わたしとじゃなくても