いつもそばに、ずっと近くに
野良猫と内緒話
まだ帰りたくない
今日は特別な日
終わらせるには
早すぎる
きっとまだ何かが
待ってる
見つけられるのを
待ってる
淡い予感は
願望9割
無知な素人の
天気予報
それでも
終わらせるには
早すぎる
こんな夜は
野良猫と内緒話
見つけてしまったの
昨日はどうだった?
そんなの知らない
今日見つけた
それだけが
大事なの
なんにも知らない
はずなのに
内緒話は朝まで続く
5秒の誘惑
背中を追いたい
何食わぬ顔で
スッと後ろに
回り込みたい
揺れに便乗して
腕にしがみつけたら
その熱も感じられるはず
押しつぶされそうなら
長い腕を伸ばして
囲ってくれるはず
勝手な妄想
たった5秒の
朝の誘惑
To be, or not to be
境界線は
とてもあいまいで
うわの空でも
超えられそう
でも
確かにすぐ目の前に
横たわっていて
誰かが超えるのを
静かに待ってる
超えてしまえば
すべてが終わり
そして変わる
難しいことじゃない
今よりきっと楽なこと
正しいこと
正しくないこと
誰かが悲しむこと
困ること
すべては空の彼方でも
選ぶのは
境界線を超えないこと
あなたを忘れないために
忘れないわたしで
いられるために
ウィークエンド
朝の1時間を過ぎたら
運命とか奇跡とかいう
偶然に祈りを捧げ
祈りが叶わないのなら
フロイトの説の証明に
躍起になってみる
うまく実証できない日は
温かい紅茶に癒しを求め
そんなことを
5回繰り返すと
とうとうやってくる
絶望の2days
どうやって
乗り越えればいいのかな
誰か教えてくれないかな
いつかのわがまま
「好き」じゃ
軽すぎて
「愛してる」は
言葉にした瞬間に
陳腐になり下がる
恥ずかしすぎて
口になんて
できっこない
それでも
やっぱり
あなたからは言われたい
何百回でも言わせたい
言葉にしなきゃ
信じられない
また夢でも見てるのかな
Journey in to Chapter II
第2章へ続く
Chapter II
一つの光景
魔法
ジェリービーンズの
魔法が使えるのは
一度だけ
開けた最初の1粒だけ
カナリー
幸運を運ぶ
黒ネコに出会う
シュプリーム
偶然(!)にも
彼と同じ車両に乗れる
ミルク
ヘアスタイルが
夜まで崩れない
アップルグリーン
彼のとびきりの笑顔を
3回見れる
チェリー
ペディキュアが
上手に塗れる
ソレイユ
夕食がママ自慢の
ボロネーゼになる
ルージュ
彼があの子と別れる
今日の魔法は×××
明日も新しいの
買いに行かなくちゃ
満月の夜に
バッグにナイフを
しのばせて
主人公のように
社交性をまとい
笑顔の仮面を貼り付け
親しそうに歩み寄る
おせっかい
親切心
なんだっていい
合間に
胸の奥をえぐるだけ
消えない傷になればいい
ずっとずっと
苦しめばいい
そうじゃなきゃ
浮かばれない
いじわるなわたしを
月が見てる
ヒロイン
ガラスの靴に
無理に足を入れるなんて
できない
痛いってわかってるもの
森に逃げ込むのだって
危険でしょ
逃げ回るくらいなら
毒リンゴ作りを
手伝う方がまし
キスで目覚める
っていうのも勘弁
心の準備とタイミングは
どうしたって譲れない
一歩踏み出せない
臆病なわたしは
やっぱり
ヒロインにはなれない
プリズムが邪魔をする
認めよう
恋に恋してる少女と
変わらなかった
わかってた
独りよがりで
ゴールはなかった
芯は冷めたままでも
確かに熱は帯びていたから
不時着でも
かまわなかったのに
残された時間で
少しでも深く
刻みつけたいのに
プリズムが邪魔をして
あなたが見えない
終幕
いつもそばに
いられるのなら
ずっと近くに
いられるのなら
たとえ
夢であってもいい
永遠に
閉じ込められたとしても
決してそこから
出られないとしても
あなたがいれば
それでいいの
すべてが終わってしまっても
哀れだといわれようと
後悔しないと
誓えるでしょう
fin d’un début
ある始まりの終わり