たとえアルバムにしまっても
春めいて空
彩る景色は夢見草
少しの不安
好奇心を先頭に
止まらない高揚感
新しい教室
みつけた姿に
春めいて恋
短くなったクレヨン
真っ白なページ
無邪気に書き殴った
子供の頃のように
心のまま描きたい
日和見なわたしを
七色で塗りかえて
新しいページへ
進めたら花まる
退屈な役割
憂鬱な午後
お気に入りの音楽と
木漏れ日が励まして
本棚は城壁
わたしだけの空間
鼻歌まじり
ノートの隅
ありふれた2文字は
渡せないラブレター
ただ一言が聞きたくて
わたしを飾る浴衣に藤
屋台にちょうちん
慣れない下駄が
ころりと鳴れば
あなたの腕に掴まって
ゆらゆら揺れる
袋の中で
赤い金魚も不服そう
1日の始まり
テレビの占い
チェックするのは2人分
立ち寄ったカフェ
桃のタルトが美味しくて
次は一緒にまたこよう
洗い立てのシーツ
お日様の匂いに
脳裏をちらりとよぎる人
何気ない日常
心の片隅
散りばめられた
あの人の気配
ベッドで泣いた
夜の終わり
Journey in to Chapter II
第2章へ続く
Chapter II
一つの光景
流れ星をさがして
近くの河川敷
風になびくストール
自販機でかった
ポケットの中のミルクティー
吸い込む空気が
鼻の奥に凍みて
不毛なジンクスだと
知りながら縋る
見上げた寒空
馳せる想い
吐き出せない感情
流れ星にたくして
雨の日はメランコリー
なんとか首をもたげて
黒板を睨みつける
気だるげな眼差し
あちこち跳ねた髪
眉間をよせた横顔
不謹慎だけど
ときめくわたし
雨の日のあなたは
不機嫌な猫のよう
足踏みばかり
変わらない関係
抜け出す為の決心は
支離滅裂な台詞になった
こんな筈じゃなかったと
後悔なんて少しもない
なんでもいいから
伝えたかった
不器用な恋慕
モヤが晴れるように
言葉と共に昇華して
持て余した幸せ
ちっぽけなわたしの手を
包み込む大きな手
ご機嫌なあなた
並んで歩く日曜日
前髪が触れる距離は
嘘みたいな現実
じんわり胸の奥の方
涙がにじんでしまいそう
アルバムにしまっても
賑やかな運動場
帰り道に公園
最寄駅のコンビニ
ありきたりな風景に
あなたをみつけた事
きっとずっと覚えてる
大人になって
過ぎ去った時間
アルバムにしまっても
わたしの心は憶えてる
fin d’un début
ある始まりの終わり